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将棋を巡るサブカルチャー   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/06(月) 10:32

少しいつもと違うことを書いてみましょう。

私(大山命)は元々思い込みが激しい性格ですが、例えば「サブカルチャー」の意味を間違って覚えていたりということが最近増えています。まだ将棋も強くなりたいので、頭は常に柔軟にと思いますが、加齢との勝負ですね(苦笑)。

さて、お題は将棋漫画についてです。私は聡太が全冠制覇後の棋界およびその周辺を危惧しています。聡太ファン以外は将棋を純粋?に楽しめなくなるのでは、と。で今回ネタにする「月下の棋士」の「リアル氷室将介」に聡太君がなるのではないかという心配です。

月下の棋士は能條純一氏の手による将棋漫画で、今から丁度三十年前に連載が始まりました。「哭きの竜」で有名な漫画家という予備知識があって、それまでつのだじろう氏や将棋世界に連載されていた、井川ヒフミ氏の作品(と金横丁)に慣れきっていた身として、どのような内容になるのだろうと少し期待があって第1話からリアルタイムで読んでいきました。「河口俊彦監修」に信頼がありましたね。

主人公は氷室京介改め(笑)将介。まあ登場当時からガラの悪い少年で、帽子かぶって片膝ついて指していたりする。それどころか1週間服を着替えず、周囲から異臭を指摘される始末。将棋漫画の主役ですから将棋だけは聡太レベルで強くて負けないんですけど、これで作品の進行に不安を覚えました。

不幸にも不安は的中しました。数々の対戦相手が氷室以上に人間離れ(ギャグのレベル)していて「しょうもない」というか。あと作品の特徴の一つですが、登場人物の氏名が将棋(谷川→滝川や木村→村木)や野球の有名人(桑田真澄→幸田真澄や古葉竹識→古葉健とか)から拝借したものが殆どでいかにも薄っぺらい。何よりイラっときたのは「駒を運ぶ所作の描写が間違っている」ことでした。プロは駒を取る時、自分の駒を取る駒に近付けることはしませんね。それは初心者のやる所作です。つまり、能條氏はプロの対局を観ていないことになります。「将棋への愛が足りないな、河口八段が付いていながら」とガッカリしましたよ。

棋士の絵も下手でした。升田幸三をモデルにした棋士が出てきますが、これが五味康祐(作家)にそっくり。確かに升田は似顔絵を描くのが難しい人だと思います(比較的易しいのは大山康晴)。それを考慮しても升田の太鼓持ち(升田本人が乞うている訳では勿論ない)に似せてはダメでしょう。また一歩間違えれば十七世名人の名誉棄損になりそうな描写もあって、表現者としてどうなのかな、と思いました。

連載は8年続きましたが、盤上に血を吐いて笑っているような気持ちの悪い人(そう言えば人間模様をテーマにした漫画のはずなのに、人間が殆ど出てこなかったような)が多くて読むのを止めました。最終回は全然成長していない主人公が出てきて「やっぱり」と感じて終了。

結局、将棋文化の正しい普及には繋がらなかった気がします。氷室君の生意気で失礼、だらしない対局態度だけが伝わり、各道場が、特に低年齢層への対応に苦労したと聞いています。(>_<)

結論。能條氏は麻雀だけを描いていれば良かったのかな?

機会があれば次は「三月のライオン」を取り上げてみましょう。
No.133 編集    削除

玉頭戦の死闘   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/03(金) 16:30

森下vs谷合戦(順位戦)より。

森下九段は私より1つ下位の歳。「駒得は裏切らない」の名言で有名でしたが、名人挑戦時に精神的な甘さから好局を落とし、以降、トーナメント決勝等の肝腎な勝負を落とすことが続きました。人間的には大変真面目・誠実な方です。私が以前将棋世界のQ&Aへ投書した際に、わざわざ直筆のお葉書でご返事を下さいました。因みに内容は「阿部vs加藤一二三(銀河戦)において『待った』をなぜ認めたのか?」でした。直接の担当は矢内女流でしたが、九段は当時理事だったと思います。今もヒフミンは全然懲りていないですね。(>_<)
一方の谷合君。何度か彼の将棋は取り上げましたが、ネット民にも私と同じ疑問&要望をお持ちの方が少ないようです。曰く「AIの研究に熱心だけど、自分の将棋で勝っているのを見たことが無い」「勝又教授のようなスタンスではなく、プレイヤーとして活躍して欲しい」。谷合君、見ましたか?(笑)

将棋は対抗形、お互いの持ち味が出た壮絶な玉頭戦となりました。先手森下が四枚銀冠の堅陣を築いたのに対し、谷合君は金無双から上部に厚い右玉?のような形で、先手から見て一貫して盤の左側(振り飛車から見て右側)で百手以上続く捻じり合いとなりました。恐らく双方秒も読まれていたのでしょう。逆転に次ぐ逆転で150手を過ぎた辺りで漸く局面がほぐれ、居飛車勝勢。谷合玉は▽2一まで追われましたが、最後に頓死を喰らったのは居飛車でした。谷合君命拾い!
ネットのコメントで「悪手のオンパレードで観る気がしない」。それに対するツッコミ「(全部)観て、ご丁寧にコメントまでしてるじゃんw」。人間同士の将棋に悪手はつきものです(実感)。(>_<)
No.132 編集    削除

守護金の存在   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/02(木) 20:58

黒沢vs高野智戦(順位戦)より。

私が黒沢六段に興味を持ったのは将棋世界の「力戦振り飛車」解説コーナーでした。それから「振り飛車年鑑2022」にインタビュー記事が掲載されていますけど、その勝負観が「最初から逆転狙い」(笑)。どういう意味かというと「少し悪いくらいでついていって最後にまくる」ということです。これ、私が度々書いていることと殆ど同じではないですか。プロの振り飛車党と将棋観が同じ?ということで随分勇気付けられましたよ。(^_^)
高野六段は「受け師」の弟子で普通に強いのでしょうけれど、振り飛車対策はそれほど上手いとは思いません。

後手の居飛車が▽5四歩と突いたので、升田式向飛車に進みました。黒ちゃんは棋王戦挑戦者決定戦で軍曹と相穴熊を戦いましたが、その後一切穴熊を指していません。本譜も高美濃にすると思いきや▲4七に上がった金を3六→2五に繰り出し玉頭金!一旦居飛穴に囲った居飛車ですが、鬱陶しいと見て、パンツを脱いで(▽3三桂と跳んで)まで金を追いました。真の狙いは端の味付けで▲1五に陣取ります。
左辺では捌き合いがあり、大駒の総交換、居飛穴はいつの間にかミレニアムになっており、急所の▲4一銀が掛けられ勝利が見えてきました。居飛車も成り込んだ桂を▽4八に押し売りし(取ると▽3九角で大逆転)追いすがりますが、最後は狭い所に▲1一金、1三銀と捨てて着地が決まりました。▲1五金は守っては上段に玉が追い出された時の防波堤、攻めては端の拠点となる守護金として大活躍でした。

黒ちゃんは今奨励会の幹事で大変だと思いますが、これを糧として、もうひと伸びして頂きたい。応援しています。(^_^)
No.131 編集    削除

A級8回戦   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/02(木) 09:30

アンチとして聡太敗戦は「よし!」という感じでしたが、菅井君が天彦九段に負かされ、ガッカリです。それでもチャンスの芽は残っているので、AIが3連続でバグを起こすことを念じて、来月の一斉対局を待ちましょう。

永瀬vs聡太戦は、軍曹の開始から40手くらいにおける仕掛けの早さに驚きました。しかも手になっていましたからね。五冠があんなに一方的に負かされる将棋は初めて見た気がします。これが研究将棋の恐ろしさか。石田九段をはじめとする聡太応援団は場を取り繕うのに苦労すると思いますよ。(>_<) 石田九段は中京愛が強過ぎるのか、ヒフミンの亜種みたいになって品が無いですね。(>_<)(>_<)
No.130 編集    削除

新境地か?!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 21:15

また女流順位戦で申し訳ないですが、甲斐vs中村真戦を取り上げます。
甲斐さんは基本振り飛車党ですが、相振りはあまり好まないように感じます。研究熱心でテンテーか師匠(久保九段)が「(彼女の将棋を)注目している」と書いていて、そういうものかと思いました。確かにタイトルも獲っているし、安定感がありますよね。因みに元奨励会員でYouTuberのほっしー氏は「レーティングで(甲斐さんが)5位にランクされているのは意外だ」と仰っていましたが、さては聡太の将棋以外観ていないな(笑)。一方の真梨花さんですが、根っからの四間飛車党で、マリカ攻めと謳われる攻撃力に定評があります。この方も将棋会館の棋士控室に詰めるなど研究熱心で有名ですが、正直安定感は余りないですね(失礼)。棋風としては戸辺七段に少し似た所があるように思いますが(でも振り穴は指さないようです)。

先手は甲斐さんでしたが、やはり相振りは避け、居飛車を持ちました。真梨花さんは十八番の四間飛車です。但し、角交換型を選択したのは少し驚きました。しかも自分から。居飛車は銀冠を目指しますが、やや攻撃陣が立ち遅れているのが気になるところ。果たして、振り飛車は囲いは後回しにし、▽4五歩を突き、銀を中段に繰り出し、積極的な指し回しです。いつもの(というか、私の印象では)真梨花さんは、まず玉を高美濃まで囲ってからガンガン攻めていく感じだったのですが、そうではない。真梨花さんにとって甲斐さんは対戦成績が悪いので(10勝17敗だったかな?)、いつもより気合が入っていたのかもしれません。逆に甲斐さんは戸惑ったのかなあ?
振り飛車はいつでも攻められる形を作ってから平美濃に囲い、▽6四歩を突きました。ここで居飛車が焦ったのか、▲5五角からこの歩を取りに行ったのが少し無理だったような。再度の角交換から逆に▽5五角と打たれ、飛のコビンを攻められ馬を作られてしまいました。振り飛車は馬の厚みを活かして攻め急ぎません。居飛車が玉頭の位を活かしたコビン攻めを逆用、鋭い切り込みであっという間に銀冠は崩壊しました。▲7四桂を打たれても動ぜず、見切りも正確で、丁寧に寄せ切りました。失礼ですが、こういう指し方ができるんですね。
正直、対西やん戦(相振りで67手だったかな)で秒殺喰らった時は厳しいと思いましたが、本局を観た限りではまだまだやれそうですね。伊藤&加藤桃戦に勝つようなことがあれば、挑戦争いもできるかもしれません。注目です。
No.129 編集    削除

相穴熊はここが面白い!?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 09:26

将棋に限らず、伏線を張り、これを適切な時機に回収することは大事だと最近感じますね。
AIって、その場その場の最善手を分析しているんでしょう。流れなんてどうでも良い。そこが人間の指す将棋と決定的に違う点ですよね。

さて、相穴熊。実は私自身あまり指したことが無くて、経験を積みたいと思っているんです。何しろ実戦で初めて振り穴を指したのが漸く5年前!理由は不明(笑)。多分「穴熊を指していると強くなれないよ」という良くある助言?のお陰だと思っているのですが。
一昨日、同じ相手に1局目立石流を使って負け、2,3局に穴熊を投入しました。2局目が結構上手くいって銀冠を粉砕。それで相手の方は3局目、銀冠から穴熊に潜りました。ここも上手く指せ、勝利。再三の▲3三歩が効きましたね(笑)。

さて、女流順位戦です。加藤桃vs西山戦が組まれていたので、解説?したかったのですが、西やんが意外な拙戦で負け。急遽何かないかと探したら、中井vs加藤圭戦が面白かったので紹介します。

中井さんは稚内の出身です。でもご家族も含めてもう(稚内には)住んでおられないのでは。ご本人には直接会ったことはないですが、何故かお母上には2度お目に掛ったことがあります。今は清水理事より強いですよね(笑)。一方の圭さんはデビューの遅い振り飛車党ですが、力を付けてきている印象です。実は山ネコさんより強いのでは。

将棋は相穴熊になりました。よく言われているように相居飛車戦とは別の意味で繊細な将棋です。見所は仕掛け前後の駆け引きと、中終盤の剥がし合い・埋め合い(笑)です。
相○○戦は同型なので、対抗形においては振り飛車から見て左側の戦いをいかに有利に進めるかが重要です。
序盤、居飛車が飛先を早く決め、ゴキ中を牽制(「圭さんの中飛車はうるさい」という情報でもあったのでしょうか)、ノーマル三間となりました。中井さんの居飛穴志向に対応し、振り飛車も▽9一玉、8二銀、7一金と締まり一安心。互いの囲いの構築中に居飛車は▲8六角と覗きます。これは割合最近見かけるようになった(私が、です)手で、遠く▽5三を睨んでいる訳ですが、振り飛車陣がどのような陣形になっているかにもよりますが、四間で始まったら▽4一飛が必要になりますし、本譜のように三間では角の直射は予め避けている代わりに真ん中が弱めということはありますね。
更に進んで振り飛車は▽3五歩。先も取り上げたように、3筋の位を取れば居飛車右桂の捌きを押さえられる。三間飛車が最も突きやすいことは自明の理。中井さんは▲2六飛と浮きますが、申告漏れ発覚!▲1六歩(居飛車の税金)を突いていなかったので▽1五角(幽霊角)が成立しました。圭さんが良かったのは、しつこく繰り返したこと。やや働きの弱い▲1六飛の形で角交換できたことはポイントでした。恐ろしいことに、ここから居飛車はリードを奪うことができませんでした。振り飛車の指し回しが丁寧で、付け入るスキを与えず、気が付けば居飛車の一人終盤戦!と金の活用から大駒切、綺麗な収束でした。

二つ目に挙げた「金気の剥がし合い・埋め合い」は見られませんでしたが、とかく相穴熊戦は一方的な戦いになりやすいので、もっともっと実戦経験を積み上げていきたいものです。(^_^)
No.128 編集    削除

敗着不明?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 06:23

挑戦者の敗着不明、AIのご意見を伺った結果...

アホですね。作戦や構想が悪いんですよ。流れが。まあ升田流に表現すると「あんたの▲7六歩(初手)が敗着」ですね。AIのこと、全然理解していないですが、やっていることはナンセンスで、誰も得るものが無いと思います。
No.127 編集    削除

道場を求めて   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/30(月) 20:34

同情ではないんです。東京に戻ってから、私より少し強い人を求めて道場巡りをしています。帰省時に戦ったアマ五段の方は入院してしまいました。この方は私の地元で支部長を務めておられたようですが、支部は何年か前に潰れ、今では看板だけが寂しく残っています。早く退院されてまた私に将棋を教えて下さい。

次に足を運んだ道場は、やはり席主の方が強く、毎週通おうと心に決めた矢先、またもや体調不良で入院してしまいました。それで仕方なく千葉に出た訳です(ひとつ前のコメントからつながる)。「駅から数分」と書いてあったのに全然見つからず、観光案内書で道を尋ねました。引っ越していたんです。そこでは常連さんの一人が強く、今度こそ安住の地になるか?!

それにしても、ネットで紹介されていた道場が次々と潰れていて悲しくなりました。(T_T) 昨年まで北海道で指していた時も通っていた道場の一つが消滅しました。どうせ皆が聡太に飽きたら今の将棋ブームなんて萎んでしまいますよ。連盟は頭から汗を流して次の一手を考えないと。(>_<)

残念ながら、まだ千駄ヶ谷や御徒町に足を運ぶ力はないなあ(泣)。(T_T)
No.126 編集    削除

王将戦第3局   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/29(日) 20:09

封じ手の前後に▽4七角と打ち込むチャンスがありました。挑戦者やその場に居合わせたプロ棋士は誰一人として指摘しませんでした。ダメな理由を相居飛車戦に詳しい方、ご教示頂けないでしょうか。
今日、千葉県に将棋を指しに出たのですが、対局した人が毎日新聞を持っていて、二人して「▽4七角、打ってみたい」と意見が一致したのですよ。王将は完璧主義者だから厳密には無理でも読み切ろうとして時間を浪費するかもしれません。挑戦者はかつて、そういう良い意味でのハッタリをカマせたものですが。タイトル奪還は冷静に見てかなり厳しくなりましたね。
No.125 編集    削除

捕まらない角   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/27(金) 20:19

佐藤和vs菅井戦(竜王戦2組)より。
和俊七段は最近あまり振ってくれません。私と同じようにそのことを不満に思う振り飛車党(アマ)が存在するようで「和俊よ、雁木やって勝っても埋もれてしまうぞ。飛車を振れ!」などというコメントを見ました。一方の菅井君は最近暴発が目立ちます。「乱暴な」穴熊を止めれば良いと思いますがね。大体時間をキッチリ使っている時の彼は好局が多い。十分に相手を揺さぶってから技を掛ければ実力通りの結果になるはずです(柔道で言う所の「つくり」)。思い切りの良さと乱暴は紙一重ですよ。

さて、将棋の中身を。
どちらも振り飛車党で、相振りも意図的に避けるタイプではないので、戦型が注目されました。和俊先手で▲7六歩▽3四歩▲2六歩と進み、四手目、菅井君は▽3三角と上がりました。「売られた喧嘩は買う」とばかりに▲同角成。▽同桂から後手中飛車となりました。局面が落ち着き玉の囲い合いに進むかと思いきや、▲4六歩に▽5五角が放たれました。これは▲9九の香にも当たっているので、▲7七銀。振り飛車は歩を掠め取りました。何だか素人っぽく感じられる角でしたが、これが攻防に大活躍です。頭の上を飛び回るハエのごとく、追っても追っても捕まらない。そして自陣の傷になりそうな個所をしっかりケアしているのです。個人的に、菅井君は竜の動きがいつも印象的ですが、これも「らしい」角使いと言えましょう。居飛車陣は何とか銀立矢倉までもっていったものの、敵角にかき回され上ずってしまいました。駒のぶつかり合いの後、急所に据えられた▽8四桂(▲7六銀当たり)が激痛でした。以下、幾ばくも無く素早い寄せで振り飛車の勝利となりました。和俊七段はあまり見ない形に翻弄された様子で、持ち時間に大きな差が付いたようです。一方、菅井君は交換した角を好所に打ち据える得意の形に加え、振り飛車らしい左金の動きが地味に光りましたね。▽3二→4二→5二→6二と大名人の指し回しを彷彿させました。

改めて思いますが、アマの振り飛車党は相振りを避けるべきではないですね。気合負けにつながるように思うのですが。(>_<)
No.124 編集    削除

番長の限界   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/27(金) 10:46

今回は番長(香川女流四段)の側から将棋を観ていきましょう。
番長、香川さんはですねえ。私が教員だった時に職員室に教職員互助会?からパンフレットが配られていて、チラ見してゴミ箱と思ってめくったら、香川さんのコスプレ写真がインタビューと一緒に載っていたんですね。内容はプロ将棋に詳しい人であれば誰でも知ってそうな話でしたけど、まあ正直に書くと「番長、終わったな」と感じました。その後、YouTuberに転身?され、ダメを押されました(苦笑)。

改めて将棋観てみましょう。里見vs香川(名人戦リーグ)より。
先手の香奈ちゃんが例によって中飛車を明示。対する番長は三間飛車。一般に相振り戦では「中飛車には三間」が定跡?で、これは私自身の経験からも納得できます。しかし、相手は元奨励会三段&女流四冠ですからね。
果たして序盤の40手までで三間飛車(番長側)が相当指しにくい形になってしまいました。理由は明白。番長が香奈ちゃんにビビっているんですよ。部分部分で(相手の)嫌がることを探して実行するのですが、盤面全体を見たらそれはかえって自分の首を絞めている訳です。例えば金無双に囲ったこと。▽7五歩を突いたこと。ヘボなら銀は▽6二からのルートで活用し、将来の▽8一飛を目標に駒組を目指す。それまでは自陣が傷になるような歩突きはしませんね。それで無駄なことをやっていたために弱い角頭を狙われ、窮屈な形を強いられました。
香奈ちゃんは玉を左に移動し、▲2八に振り戻し、3筋に攻撃を集中します。香川陣は駒の渋滞が酷く「捌けない形」。2筋を破られ竜を作られ、▽5七銀を打ち込むような手が間に合わないようでは最早これまで!?それでも形だけでも切り合いになり、香奈ちゃんの玉も薄いので、勝負になっても良さそうですが、ヘボの目線でも一手二手遅れているんですよ。それも中盤までの構想の拙さが罪になっています。因みにネット上では「珍しく悪手の無い名局」みたいな意見がありましたが、「笑わせるなよ。構想の悪さは悪手の積み重ねでは」。
最終盤は香奈ちゃんの流れるような寄せを見るばかり。「あと飛があれば詰みね。あら、ここに落ちている」って感じですか。1回思い出王手を受けておいて、実際に即詰みに仕留めた将棋でした。

香奈ちゃんは苦労は何もしていないんですね。番長が勝手に転ぶのを指一本で後押ししているような感じですかね。以前、棋友と話をした時に「女流棋士は自分の指したい手を優先するよね」の見方で一致しました。それはヘボにも該当する耳の痛い話ではあるのですが、プロ・アマに限らず強い人は辛抱が上手ですよね。

さて、最後に番長の話に戻しますが、「ご自分の将棋の研究を優先してくれ!」ですね。周りは、例えば佐藤会長は「普及に尽力しているから、止めろとは言えないかな」くらいのスタンスと思われますから、ならば「誰か苦言を」ということであれば、それは中村修の役割かな。かつては永瀬軍曹のような風貌だったのに、今は何なのだろう。髪を切ったからと言って将棋に勝てるとは限らないよ。
将棋が弱い人の言うことやること、信用されないのがプロだと思います。また、勝てなければサイドビジネスをやるしか食べていけない厳しい世界です。
No.123 編集    削除

女流も進歩   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/26(木) 10:12

このような表題は女流棋士に失礼なのは承知していますが、これが一番解りやすいと思ったので。
ヘボなりに少し将棋が解ったつもりになると、「俄か」の存在にイラっとすることが増えます(苦笑)。たとえば言葉の使い方で。「大山棋士」「大山先生」「ヒフミン」等々。「○○棋士」は敬称のつもりなのでしょうが、違和感だけですね。「○○先生」私は自身が先生呼ばわりされる仕事だったので気になるのかもしれませんが(先生と呼ばれるほどの馬鹿は無し)、○○七段くらいが無難だと思います。「ヒフミン」マスコミの命名ですが、それに乗って将棋好きをアピール?私は過去の待った事件や犬猫への餌やり事件を見聞きしており、更に「ヒフミン・アイ」は、仮に私が対局中に歯抜け面でされたら嫌なので面白おかしく俄かやマスコミが取り上げる意図が理解できません。将棋界の○喜朗の放置は厳禁ですよ、会長!
あ、脱線してしまいました。

女流の力が付いてきた話でしたね。
振り飛車党が多いこともあるのですが、近年棋譜並べの教材を女流棋士の将棋から仕入れることが増えました。香奈ちゃん、西やんは勿論ですが、石本さん(振り飛車年鑑でも記事を書いています)や上田さん、番長(香川さん)もかな?誰の将棋を評価するかは好みの問題もあるので置いておいて、とにかく鑑賞に値する棋譜が女流同士の戦いにも見られるということです。

漸く本題。女流順位戦(白玲戦)B級(男性棋戦におけるB1に相当)香川vs北村戦より。
番長こと香川女流四段。奨励会の在籍経験もあり、器用でそこそこ強いのですが、自分の将棋をもっと大事にして欲しい。これに尽きます(詳細はwikipediaなどで確認できます)。一方、北村女流二段は苗字は違いますが(笑)、旦那さんは出口若武六段です。桂香使いの妙技が期待されます(笑)。

二人ともヘボの見立てでは振り飛車党です。香川さんは派手な将棋?を好み、北村さんは、ヘボが勉強不足なので良く分かりません(失礼)。相振りも予想されましたが(女流は相振りが多い)、本局は先手の香川さんが譲り?ました。
居飛車は穴熊に潜りました。振り飛車は現在プロが多用する三間飛車。
因みに振り飛車党の中でも「飛の頭に角が乗っていて、どうして戦えるのか解らない」と仰る方もおいでですが、これが何とかなるんです(笑)。ヘボが将棋の勉強を5年前に再開した折、「四間飛車は流行っていて対策もそれなりに確立されている。ゴキゲン中飛車は玉が薄くなりがちで、自分の棋風に合わない」と考え、消去法で三間飛車を軸に戦うことになりました。自分と同じくらいの棋力の相手には結構勝てますよ(笑)。また道草してしまった。(>_<)

潜る前後のことですが、振り飛車は居飛穴の駒組を牽制して▽4三銀→5四銀の動きを見せます。狙うはミサイル銀で角頭ですが、対して居飛車は▲6六歩or銀の二択。歩であれば穏やか、銀であれば突っ張り?(角道を通しておきたい)といった所。
更に、振り飛車は▽3五歩と突きます。ヘボの目には、これこそが(女流)プロの振り飛車党が三間飛車をもてはやす理由に思えます。ヘボのような古株アマは石田流を連想するのですが、令和の三間は最善形に拘らない。かえって最下段まで飛を引くことも珍しくありません(と思っていたら石田流本組になってしまいました)。(>_<)
「石田流は終わった」などという番組がYouTubeで上がっていましたけど、本当に終わったかどうかはさておき、石田流が居飛車党にとって相当イヤな戦法であることに間違いありません。手順を尽くさないと一方的に潰されてしまうからです。逆に振り飛車党から見た一番のメリットは「居飛車の右桂の捌きを押さえる」ことにあると思います。
実戦は振り飛車の角の動きに注目です。駒組の際に手順に▽5一に引いた角を▽8四に覗きます。最近の傾向では玉側の桂を早めに跳んでしまうことが多いため、何か新鮮に見えましたが、「ほら、ご覧」と大名人のお顔が目に浮かびます(笑)。遠く▽4八や3九への成を見せながら、更に▽7三に角を引く。居飛車は▽2八角成を受けることができません。左桂も捌き、仕掛けでは振り飛車が一本取った形となりました。
居飛車としては隠居している飛の捌きが最大の懸案になっており、右銀の動きが思い通りでないのも痛い。対して振り飛車は囲いが金銀4枚のダイヤモンド美濃が心強い。とは言え、居飛車は駒損を取り返し、形勢は接近。そこで満を持しての端攻めですね!▽9五歩の突き捨てから攻めて攻めて攻めまくる。途中小ミスもあったような気がしないでもないですが、殆ど一手詰みまで香川さんが指し続けたことが「どうしてこうなった?」という無念の思いを表している。つまり北村さんの指し回しがほぼ完璧だったということです。いや眼福、良い将棋を拝見しました。

北村さんは実は軍師が居る。それは旦那様です(笑)。出口六段は叡王戦を全局相居飛車で戦いましたが、かつて振り飛車党でした。奥様は結構助言(勿論研究の場で)を求めているのではないかなあ。そんな大きなお世話もヘボの頭に浮かびましたとさ。(>o<)
No.122 編集    削除

機敏な仕掛け   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/25(水) 10:35

行方vs佐々木慎戦(王座戦)より。
二人とも同じB2で好調で、昇級のチャンスも十分にあります。枠が(前々期からか?)3人に増えましたからね。
予想通り、行方銀冠vs佐々木三間の対抗形となりました。行方九段の居飛穴は見たことがありません。じっくり囲って玉頭戦に負けず、振り飛車との捌き合いにも屈しない。ただ、本譜は不用意な駒組みの進め方で、振り飛車の仕掛けを誘発しました。
▲8六歩から銀冠はおかしな方針ではありませんが、▲8七銀と上がった瞬間に、直前の▽4五歩との連携で▽3六歩の仕掛けが成立しました。更に▽1三から▽2五への跳躍で桂を捌き、飛を成り込む大戦果。渋い▽4三桂から、▲8五歩を咎めた反対の▽9三桂跳び。馬切りから鮮やかに敵玉を仕留めました。佐々木七段の桂使いの妙技が光りました。是非とも昇級争いを制してB1で活躍してもらいたい。(^_^)
No.121 編集    削除

それで勝ったのだから   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/24(火) 09:54

誰も文句は言えないでしょう。もっとも挑戦者は昔から銀をあのような場所に打つのが好きですからね。銀が無いから金を打ったのでしょう(流石にそれは言い過ぎか)。
管理人さんも冷静に現状をご覧になっていますね。私も1発入れば良いと思っていました。
どうせなら大村崑の眼鏡を掛けて欲しかった(笑)。
No.120 編集    削除

レスレス♪   投稿者: tsuka000jp   投稿日: 2023/01/24(火) 09:29

>大山命さん
パッとしか棋譜を見ていないけれど▲8二金は素人でも思いつきそうな手が
深い読みに裏打ちされていたということですかね。
4連敗の可能性もあったので、失礼ながら1勝して喜んでしまいました。
ナベ方式は今の駆け引きの仕方を端的に表していますね。トッププロの指す将棋の内容がソフトの研究をベースになっているので
駆け引きの仕方がソフト以前と変わった点かもしれないですね。
羽生さんのたこ焼き姿も印象深かったです。笑
No.119 編集    削除

良く解りませんが   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/23(月) 09:21

挑戦者が勝ちました。管理人さん、お仕事ご苦労様です。
戦型は相掛かりかな?バランス重視のサーカスのような落ち着かない将棋でした。
▲8二金のような、常人からすれば俗手と思われる手がAI記憶装置の性能を狂わせたのか。記憶装置は人間の部分も残しているので、第3局以降もそこを衝ければ(シリーズ全体を通して)面白くなるかもしれませんね。いずれにしても「ナベ方式」を発展させないと勝てないということです。ナベ方式とは私(大山命)の造語で、「最も本筋の部分は(研究時に)敢えて掘り下げず、少し外れた部分を深く研究する」(by渡辺明)対策だそうです。ナベ名人は聡太君以外の人にはそれなりに勝っていますが、説得力を持たせるには「そうですね」(誰かさんの口癖)に勝利しないことにはね。横道に逸れましたが、最終盤は王将の王手ラッシュをかわした挑戦者が称えられています。
まあ、後手番の次局が勝負所でしょうね。
No.118 編集    削除

レスレス♪   投稿者: tsuka000jp   投稿日: 2023/01/22(日) 19:00

羽生さん返したようですね。でさきだけど後で棋譜みたい
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目覚めよ、千田翔太!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/21(土) 06:09

千田翔太七段は現在B1、強いと思われている棋士の一人です。
しかし、デビュー時やタイトル挑戦時(ナベ名人最強時)の勢いを知るヘボから見ると全然物足りない。この間の反則負けもありましたし、何よりご本人が忸怩たる思いを溜めていることでしょう。

千田君と言えば、AIによる将棋研究家のはしりで、デジタル将棋!から見た現代将棋のトレンドみたいな内容を将棋世界で連載していました。私自身はAIアレルギーで良く解らないのですが、今振り飛車党の西田君や谷合君がやっているようなことを先行走者として洗練しているのでしょう。それがどうにも壁に当たっているような気がします。

そこで「お約束」(笑)ですが、今こそ振り飛車をAIで解析されてみては如何でしょう。きっと突破口が見つかると思います。以前ここでも書きましたが、彼が本物であれば「将棋解析ソフトなんてクソゲーの類ですよ」くらい宣言できそうな気がするのですが。買い被り?
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これぞ振り飛車   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/19(木) 14:55

やはりテンテーですね。やってくれます。
藤井vs屋敷戦(棋聖戦)より。
テンテーの先手初手は▲7六歩が99%ですが、最近は次の手から魅せてくれます(笑)。何と▽8四歩に対して▲5六歩!そして5筋位取り中飛車に進みました。多くの人が先手ゴキ中と称している形です。居飛車は超速模様の出だしで、角交換。馬作り定跡(但し、戦後逆)に進みます。でもこれは▲7四角で馬は消されるんですよね。居飛車はしつこくもう一度馬を作りますが、これも生飛との交換になり消えました。気が付くと▲5三にと金が出来、喉元に匕首を突き付けられ逃げ場のない形に。
本譜、印象に残ったのは振り飛車の右金の動きですね。飛頭に叩かれた▽5八歩、これを美濃囲いの金で取り、機を見て▲4八金→▲4九金と直し、終局図では何事も無かったかのように片美濃が残っている。「相手の力を利用して、投げる」振り飛車の奥義が存分に展開された美しい棋譜でした。(^_^)
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振り飛車は美しい   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/19(木) 11:22

また久保ネタで済みません。

昨日、長崎の道路地図を買いに神田の三省堂まで行ってきました。夏に対馬・壱岐を車で回るためです。そこで、見てはいけないものを見てしまいました(苦笑)。「振り飛車年鑑2022」。北海道から引き揚げてきて困ったのが本の数、かなり両親から責められました。でも買ってしまったんです。(>_<)
「巻頭インタビュー:久保利明」。うーん、買って良かった(笑)。
1.小学校に上がる前に、父親から「大野の振り飛車」を買ってもらい「大野先生の将棋はきれいだな」という感想を持った。
2.「モーツァルトが楽譜を書く前に曲が(頭の中に)完成していたことがあった」という逸話に対し、「すごく分かります」と返答。
他にも私のような不利飛車党にとっても示唆に富む話が載っており、久保ファンは勿論、振り飛車を愛する人にとって買って損は無いと思いました。
そう言えば、テンテーも「美濃囲いは美しい」と仰っていたような。
同じものを見て、「美しい」と同じ感想を持てる人を応援しない訳にはいかないではないですか。久保大先生のように生活が懸かっている訳ではないですが、振り飛車で勝てるよう、一層の精進を誓ったヘボでした。(~_~)
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