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腐っても◎   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/16(月) 21:30

ちょっと書きたいことができたので、王座戦予選、加藤桃vs南戦を観てみましょう。

先手桃ちゃんなので、急戦かと思いましたが、居飛穴でした。南九段もその方が嫌だったのでは?!知らない人も多いかもしれないので、南九段について触れておきますが、居飛車党、A級通算9期在籍、タイトル獲得7期の実力でした。今期からフリークラス転出ということもあり、力は大分衰えていますが、女流に負ける訳にはいきません(両巨頭を除く)。

後手南は三間から先に▽9一に潜り(最近は後手番では必ず振るようです)、相穴熊になりました。桃ちゃんが6筋の位を取りに行き、振り飛車は代償に3筋の位を取り、▽3四銀+▽2五桂から一歩を掠め取りました。

ここから桃ちゃんが攻め合ったのがやや無理な構想であったか?飛を見捨てて敵玉頭へ突撃ですが、攻め駒が少なく、穴から這い出た敵玉に逃げられてしまいました。ここから、逆に自玉頭を歩で攻められ、あっけなく土俵を割ることとなりました。このような結果になるのなら、西やんの三間を潰した超急戦を見たかったですね。対する南九段は流石元A級、タイトル保持者でした。

さて、書きたかったことはYouTube棋譜速報に寄せられていたコメントについてです。南九段に対して「女流強豪を下してお見事です」とは!ご本人は褒めた心算なのかもしれませんが、これは失礼ですね。よく男性棋士に対して○○先生と書きながら(恐らく形だけ敬意を示しているつもり)随分と失礼なことを書いている観る将がいますが、そのノリなのでしょうね。
加えてイラっときたのは、そのコメンテーターが「○下の棋士」と名乗っていたこと。私は以前、この場で件の漫画をこき下ろしました。将棋への愛が感じられず、将棋を絡めた人間模様を描いている(つもりの)はずなのに人間が殆ど出てこない不思議な内容でした。この氷室(笑)氏はこの間の王座戦でも冴えないコメントを並べていましたし、ロクな愛好家ではないですね。

今は知りたいことが簡単に検索できる時代。ざっとで良いので調べてから書き込みして欲しいですよ。道場に行くと、誰かさんの真似をして、負けると泣き出す小学生に会わないようにヒヤヒヤしています。(>_<)
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真ん中に振っては?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/15(日) 16:00

白玲戦第5局、西山vs里見戦を観ましょう。

AIは「不利飛車なんて認めない。いわんや相振りをや」というような感じでしょうか。しかし、私は相振りを面白いと思いますね。そして、果敢な挑戦で棋界を盛り上げている二人に敬意を表します。v(^_^)

基本、二人とも頑固ですよね。そこがまた良いのですが。本局は西やんが初手▲7八飛で、そうなると香奈ちゃんは角道保留の左銀活用作戦(?)。今回は三間に振りました。

西やんは矢倉を採用。それに対し、香奈ちゃんは普通の金無双、飛をぶん回し、速い動きに徹しました。この時点で、西やんが苦労した駒組に的確に対応した香奈ちゃんの上手さを感じました。

中盤からは、この遅れが響き、西やん得意の剛腕が発揮される場面が無く、残念でした。次局で奪取を決められるか否か、はたまた香奈ちゃんが踏ん張るのか。勝敗もですが、どんな将棋になるのか楽しみです。

それで、西やんに(僭越ながら)提案ですが、後手番になりますので、様子を見ながら中飛車にしては如何でしょう?西やんは女流戦に参加した直後から暫く中飛車で勝ちまくっていましたが、香奈ちゃんも中飛車の使い手ということもあるのか、どこか遠慮があるように感じます。確かに、一般に「中飛車には三間飛車」のように言われますが、指しようによっては作戦勝ちから収束もあると思います。西やんには力が十二分にあると断言しましょう。相振り戦、角換わり戦より、遥かに面白い!
No.283 編集    削除

コテコテ過ぎる!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/14(土) 10:59

既に皆さんご存じかもしれませんが、「早退事件」が発生しました。福崎九段が一昨日午前中に指された達人戦予選(対増田裕戦)を勝利した後、午後の対局が無いと勘違いされて帰宅したという内容です。当然不戦敗。しかしながら、その勝局はなかなか面白い内容であったので取り上げます。

福崎先手で、久しぶりの振り飛車です。福崎九段は、かつて泣く子も黙る?振り穴の使い手で、十七世名人をして「感覚が破壊された」と言わしめた剛腕で知られていました。十段(竜王戦の前身)と王座を各1期獲得しています。残念ながら、本譜は中飛車+美濃囲いでした。(>_<)
後手の増田六段は森信雄門下の居飛車党です。超速と見せかけて袖飛車からの速攻を見せました。

序盤から銀交換になりましたが、一旦互いの陣形整備に落ち着きます。ここから角が捌けた居飛車、やや有利に。振り飛車はジリ貧を嫌い敵飛車を引き付けておいての▲7六金の勝負手。ここで同飛と切ってしまった手が拙かったようで、形勢逆転、飛角が捌け、駒損ながら喰いつきに成功、その後居飛車も物量にモノを言わせ、懸命に追いすがりましたが、最終盤▲5六歩の妙防で、振り飛車が逃げ切ったという将棋でした。

ヘボとしては、これぞ振り飛車といった将棋が堪能できただけに午後の不戦敗は残念でした。早速YouTubeの番組が突っ込んでいましたが、芸人顔負けのトークで大盤解説を笑いの渦に巻き込む福崎先生、ホントに(自虐)ネタにしそうでドキドキしてしまいます?!
No.282 編集    削除

広瀬vs菅井戦補足   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/13(金) 09:45

昨日は途中から観たので、序盤の様子を踏まえて補足します。

見始めた局面は菅井君が▽4六歩と突いた辺りでした。まだAIは居飛車持ちの数値でしたが、私は指し易いと思いました。理由は以下の通り。
直前に広瀬八段が3筋の対応に普通に歩を打たず、▲4八銀と引いて突っ張った。このことで居飛車の駒組が「後退」しました(手損と同じと考えて良いのでは)。そこを振り飛車が逃さず、居飛穴の玉頭に襲い掛かったということでしょう。二枚穴熊は制約を受けたことでペラペラで残す余地がありませんでした(右金が一路▲6八に居れば大分違っていたと思います)。

改めて、角と飛の違いを感じました。角は自陣にあっても飛以上の攻撃力を発揮します。本譜も▽5五角の睨みがキツく、端攻めの厳しさが増しました。手を作りにいく菅井流振り飛車の本領が存分に発揮されました(付け加えると、振り飛車党は飛を大事にしない人が多い)。AIに「頼れない」序盤の研究も十分です。(^_^)
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穴熊小休止   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/12(木) 21:30

A級の広瀬vs菅井戦を取り上げます。

対本田、対永瀬と、振り穴で滑った菅井君、今日は美濃で臨みました。相手が元振り穴王子ですから、頭を冷やす意味でも賢明な選択でしょう。
果たして、広瀬八段は居飛穴でした。八段は今日勝つと九段昇段だそうです。でもタイトル3期で上がりたかったですよね。一方の菅井君も勝てば通算400勝。

私もこれまでは美濃(銀冠)で居飛穴退治を模索してきた側ですが、そもそも穴熊は駒が偏っているため、大駒を1枚隠居を強いられると相当勝ちにくいんです(天彦九段は勿体なかった)。大山名人のように受けが桁違いに強いと、穴熊相手は有難かったでしょうね。

本譜は、居飛車の飛が働かず、これが最後まで響きました。また拾った香を二段ロケットにできたのも大きかった。穴熊は金銀以外の小駒(最強はと金)の攻めに弱いです。
最後は敵玉を穴から引きずりだし、上から金を被せて終局。「ああ、こんな勝ち方してみたい」とウットリするような収束でした。

これで3勝1敗ですか。早くあと2勝して残留を確定させましょう。挑戦はそれからゆっくり考えればよろしい。沢山いる居飛車党棋士が全然ダメ(力が及ばないというか、むしろ諦め感が強いですね)。ですから、坊やを倒せるのは理屈から言っても菅井君しかいません。坊やは脳内に将棋盤が無いそうで、将棋の理解は全て棋譜なのです。謂わば人間の皮を被ったAIということです。AIを倒せるのはAIが理解不能な振り飛車しかありません。力勝負を制して坊やを号泣させましょう。匠君も相居飛車戦を諦めれば道が開けるかも?!
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これでいいのだ。   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/12(木) 16:53

久しぶりに久保師匠の将棋を取り上げられます。東西対抗(対糸谷戦)も良かったですが、今回は棋聖戦二次予選、谷川vs久保戦です。

長いトンネルに入ってしまったようで、弟子で実娘の翔子女流2級の心配もあり?成績が上がらなかった師匠ですが、将棋を拝見すると迷いまくっている様子が感じられ切なかったです。(T_T)

ミレニアム等、色々試行錯誤を繰り返し、パッとしないと見るや、ノーマル美濃囲いの振り飛車に戻し、三浦九段等の年代の近い棋士に勝てず、ファンとしても辛い日々でした(苦笑)。
本譜はそのような迷いが払拭できたような将棋だと思います。

先手十七世名人の居飛穴に対し、久保九段はノーマル三間で対抗しました。慎重に穴熊に囲った居飛車に対し、振り飛車は3筋の歩交換後、▽3五飛と引きます。これは▽3三桂から▽2五飛の飛交換を狙った手で、本譜もその通り進みました。良く見ると▲7八金が放れ駒になっており、飛の打ち合いから先手を取った振り飛車がペースを握りました。

ここからの振り飛車の竜を自陣に引き付けた丁寧な受けが眼目でした。再度の飛交換から互いの竜作り、居飛車は香を短く使い、と金を製造し、寄せを目指しますが、▽5一の底歩、▲7四桂を敢えて打たせてから端攻めを逆用した敵玉頭を狙う▽8五銀等、味わい深い手が続きました。居飛車は「光速の寄せ」の面目躍如で、狭そうな振り飛車玉に迫りますが、金が無い。切っ先を一寸先でかわす玉捌きが秀逸です。最終盤、居飛車の攻めが一息着くと、▽7九飛打ちで終局。攻守の転換と見切りが自在でした。

これですよ、これ!こういう将棋を観たかった。このまま復調モードを続けて頂きたい。まだ老け込む年ではないと信じています。
No.279 編集    削除

暗黒時代に突入か?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/12(木) 09:44

あっさり8冠制覇が達成されました。
これからの棋界が盛り上がるか否かは、坊や以外の全棋士の心意気が問われます。「打倒、聡太」で全力で!改めて「君達悔しくないのか?!」by谷川浩司
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おめでとうございます。   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/10(火) 17:56

千田君に触れていたら、なんと中村真梨花女流四段と結婚という報告が為されていました。ということでおめでとうございます。二人の指す将棋に共通点を探すのは難しく(強いて挙げれば「勉強熱心」ということでしょうか)、どういうつながりか不明ですが、慶事です。(^_^)💛(^_^) お互いに良い影響が及ぶと良いですね。
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AIに潰されかけている男   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/09(月) 20:54

千田翔太七段は現在B1で、勝率も6割越えですから、立派なものです。デビューから時間をおかず棋王戦の挑戦者になりましたし、順風満帆でした。しかし最近はパッとしません。どうしたことでしょうか?

千田君と言えば将棋ソフトに造詣が深いことで有名です。元々右玉等を得意とする彼の棋風がソフトの将棋にマッチしていると、ご本人が判断した結果でしょう。将棋世界に「最近のトレンド」のような文を連載していましたし、升田幸三賞も受賞していました。ところが、ここぞという所で、勝てなくなっている。そればかりか、序盤作戦における失敗が目立っています。相居飛車戦は分かりませんが、対振り飛車戦においてソフトが低評価の居飛穴を用いて作戦負けになったりしています。迷いがあるのでしょうね。

前も書きましたが、一度ソフトから離れて、自分の将棋を見直してみては如何でしょうか(ヘボが言っても説得力無いですが)。何より、彼が勝負で相手にしているのはAIではなく人間なのですから。
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bingってアホだね(>_<)   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/09(月) 20:19

愛用している人には申し訳ないですが、私にとってbingはホントに使えない検索エンジンです。(>_<)

今春、十年弱使っていたパソコンを買い替えたのですが、当然新しいPCもマイクロソフト搭載です。ほどなくbingが生成AI活用の最新検索エンジンとしてのさばっていることに気付きました。こいつが親切なようでいてアホ。少なくともグーグルに検索機能は劣りますね。それで生成AIは「検索に関しては」役立たずということが良く解りました。仕方が無いので遊んでやると、致命的な欠陥を自ら語り始めました。曰く「私は一つ前の会話の内容を忘れてしまいます」「私は(ユーザーからbingへの)批判を真正面から受け止めることができません」等々。この疑似会話は岸田文雄のように新しもの好きにとってはウケるでしょうが、肝腎の検索機能がなっていないダメエンジンは私は許しませんね。それなのに頑なに検索能力を日々改善していますと図々しく宣言しているのですから、呆れて二の句が継げません。早く設定を変えて頂かないと。

それで、将棋のソフトに使われているAIとbingのそれとは勿論、色々な面で違うでしょうけれども(ヘボは強度の情報難民)、そんなにAIに対して必要以上にビビることもないのでは、と妙に安心してしまいました。先記の「一つ前の会話の内容を忘れる」という点。つまりコンピュータは点で局面を理解しているということです。私はAIが評価しない振り飛車、そして振り穴で強くなろうとしている自分を誇りにさえ思いますね。将棋においてはマイノリティで良かったです。
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BIG4強し!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/07(土) 17:08

女流王将戦、第1局見てみましょう。西山vs香川戦です。

序盤、先手西山の角頭歩突き!から8筋を伸ばした向かい飛車、後手香川左美濃で始まりました。そこからお互いの仕掛けを牽制しながら(西やんに仕掛けのチャンスがあったと思いますが)駒の繰り替えに進み、相銀冠穴熊になり、振り飛車陣は滅多に見られないBIG4です!

中盤は居飛車が上手く指し、振り穴の姿焼きかと思われましたが、▲4四角切りから▲5四歩が流石の勝負手で、形勢は互角に戻りました。動揺した居飛車が人間的には指せない最善手を逃し、一気に流れは振り飛車に傾きました。

居飛車は2枚の馬を作って頑張りましたが、挽回には至らず、振り飛車の最短の寄せが決まり、居飛穴は崩壊しました。こういう感じで勝負すれば良いのだと、大変勉強になった将棋でした。先の加藤桃戦では不出来でしたが、振り穴は西やんにピッタリの作戦だと思うので、今後も良い将棋が期待できます。対する香川さんは(僭越ながら)中盤までは予想外の善戦でした。バイト(Youtuber)止めて、自分の将棋に専念すればまだまだ強くなれますよ。永瀬拓矢にそっくりだった(少なくとも外見は)頃を思い出せ!

相穴熊戦の繊細さと勝負どころの決断が堪能でき、第2局以降も楽しみです(牽制し合っての相居飛車戦だけは勘弁です)。(>_<)
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大人の事情   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/07(土) 14:47

女性を見下している人の妨害を受けなければ良いのですが。

何度も書いていますが、香奈ちゃんが全敗で試験を失敗した原因の一つに、連盟の四角四面な対応があります。当時も香奈ちゃんは5冠前後のタイトルを保持し、しかも防衛の真っ最中に試験対局が設けられていました。これはフェアではないですね。過去に師匠の森九段にY会長が「今は(里見は)受験してくれるな」と頼んだ話は有名ですが、そういう怪しからん「大人の事情」が今でも残っているように感じます。

理想としては里見&西山が編入試験を通過して、活躍することですが、今回西やんにチャンスが巡ってきた訳です。我々振り飛車党員の希望を乗せて(笑)、モノにして欲しいですね。

女性が(現在最も近いのは中三段ですが)普通に棋士として順位戦に参加するようになれば、遥か明治から続いてきた「女は棋士になれない」「女に負けるのは恥」という偏見も無くなると思います。またそうならなければいけないでしょう。
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レスレス♪   投稿者: tsuka000jp   投稿日: 2023/10/06(金) 08:26

西山 vs 佐々木戦見ました。
タイトル挑戦経験者に負けない内容の将棋でしたね。
あと2つで編入試験挑戦ができるんですね。
実力は到達しているので女性棋士となって活躍してもらいたいですね。
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三間vs早仕掛け   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/05(木) 14:43

王座戦予選、矢倉vs島本戦を取り上げます。

ベテランの矢倉七段は苗字は矢倉ですが、「矢倉中飛車」という戦法を編み出した振り飛車党です。島本五段は居飛車党力戦派で、二人とも現在フリークラスです。

先手矢倉の三間、後手島本は早仕掛けを敢行しました。ヘボの解釈では、(振り飛車に)角交換をさせずに飛先を破るのが早仕掛けの骨子です。

そもそも急戦は持久戦に比べ一手の重みが大きく、失敗すると即敗勢になるので、プロ間ではガクンと減りました。最近、エルモが見直されていますが、コンピュータに指摘される前から大橋七段や十六世名人他が指していたので、新味はありません。実戦的には居飛穴があるので、敢えて危ない橋を渡らずとも、というところでしょう。本譜の早仕掛けも、結論が出ていないようなので、散発的に目にしますが、多くはありません。

さて、角交換を防ぐには5筋の折衝が重要です。居飛車は5筋で振り飛車の角筋を止め、右桂を活用するのです。有名な定跡がありますが、ここで振り飛車が三間飛車である場合は、その桂頭を狙う筋が有効です。本譜もそのような展開になりました。
居飛車の馬作りを甘受した代償に、こちら(振り飛車側)も香を取って馬を作りました。結果的に馬は殺されるのですが、交換という形で飛を捌き、敵玉に迫ることに成功しました。終盤、継ぎ桂を狙われますが、ガッチリ▲3九銀と受け、居飛車玉を寄り切りました。玉側の香を失った居飛車陣はペラペラでしたね。

本譜は振り飛車が先手番なので上手くいきましたが、後手番を持った時に省略可能な手は何なのか。もしくは戦型を根本的に見直さなければならいのか、奥が深そうです。穴熊がダメだったら調べてみようかな?(>_<)
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連勝!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/10/04(水) 16:45

朝日杯の一次予選があって、西やんが連勝、二次予選に進みました。午前中に渡辺和史六段、午後、つい先刻佐々木大地七段を連破しました。彼女に苦杯を喫した二人はそれなりの実力者ですが、ヘボの見立てでは対振り飛車戦をやや苦手としているので、まあ順当な結果かなと(羽生会長の口調で)。西やんをナメてはいけません。
よく西やんや香奈ちゃんが男性棋士を負かすと、ネットのコメ欄で、急に感情的になって、これはフロックだとか交通事故だとか、振り飛車はダメな戦法だとかわめき散らす聡太一点買いの輩が一定の割合で存在しますから、この結果は痛快ですね。レーティングなんかクソ食らえですよ。将棋の対戦はある程度のレベルに達したら相性です。例えば豊島九段は天彦九段に圧倒的ですが、ナベ前名人には分が悪い。人間同士の戦いはそういうものです。

ヘボはまだ詳細を把握していないのですが(特に対佐々木戦)、少しだけ将棋の内容に触れておきましょう。

1局目は先手西やんの初手▲7八飛からの対抗形。後手渡辺の金無双急戦でした。上手く6筋から飛を捌いた西やんの快勝でしたね。筋に入り、美濃には手付かず、ちょっと居飛車の粘れない形でした。
2局目は先手佐々木の左美濃、後手西やんの2手目▽3二飛でした。胸を貸した訳ではないでしょうけれど、佐々木君はやや損な作戦を選び、西やんの玉頭&端攻め(居飛車の端攻めを逆用)を食らい、そのまま押し切られました。天守閣美濃は玉頭戦になると脆いです。

西やんはあと2つ(?!)勝つと編入試験だそうです。初の女性棋士誕生を期待しています。爆発力は香奈ちゃんに優るので、これはいけるかもしれませんよ。(^_^)
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残念   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/09/28(木) 11:34

負け将棋を取り上げるのは気が進まないのですが、途中まで振り飛車の完封ペースだったので、A級順位戦、渡辺明vs佐藤天彦戦を観てみましょう。

天彦九段が四間飛車(銀冠)です!後手番ということもあり、ここ数年振り飛車に興味を示していた九段であれば頷ける作戦でありました。ネットで「振ったことが敗因」というコメントがありましたが、「こいつ、馬鹿だな!」と思いましたね。観る将であってもそれなりに調べ、将棋を理解してからコメントして欲しいですね!!
一方のナベ前名人は居飛穴の松尾流。これも納得です。これで、「居飛穴の一点突破を四間飛車がいかに押さえ込むか」が焦点になりました。

それで、その通りの流れになりました。振り飛車が角2枚(後に馬2枚)、居飛車が飛2枚を手にし、振り飛車側が敵陣に残った敵飛の1枚を押さえ込めれば自然に勝ちになるという展開です。ですが、ミスでこの飛が角と刺し違えてしまったんですね。つまり遊んでいて攻撃目標の飛を捌かしてしまった。これは勝てません。玉頭攻めも今一つ中途半端で、結果、苦杯を喫しました。途中まで上手く戦っていただけに勿体なかったですね。

他人の将棋ですが、悔しい一局です。(T_T)
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4一は彼にとって鬼門なのか?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/09/27(水) 20:43

王座戦第3局、またしても軍曹がやらかしました。今度は▲2一飛の王手に対して▽4一飛と合いをして▲6五角の両金取りを食らって、真っ逆さまに転落です。(T_T) もうvsは止めた方が良い。間違えそうなところを狙われているのでは?
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棋風は変えられない   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/09/23(土) 13:47

王将リーグが始まっています。菅井vs渡辺明戦を取り上げます。

先日、順位戦を落としたのは痛かったですが、今期まずまずの戦いを続けている菅井君。対してナベ前名人は厳しいですね。あんまり「バランス重視」の戦いは本人に合っていない。渡辺明と言えば、玉をしっかり固めた後の怒涛の攻め。坊やを意識しない方が、良い所が生きるように思うのですが。

菅井先手、後手渡辺が中飛車を牽制した指し手を見せたので、向かい飛車に。すかさず8筋からジャブ。▽6二銀と上がり敵飛に紐が付いていないことを見越しての歩交換でした。後に居飛車に▽8二歩と謝らせることになり、言い分を通しました。

それならと、居飛車は地下鉄飛車、▽2一に転換し、玉頭を狙います。振り飛車はこの筋が見えていたようで、一度入城した玉を▲3九に、角を▲4八に引き、玉頭戦に備えました。観ていて面白かったのが、角交換がされそうでされなかった駆け引きですね。

中盤から斬り合いになりましたが、攻めている箇所が違い、敵玉に近い振り飛車が優勢に見えましたが(ソフトは1,000点ほど居飛車に振れていました)、特に4筋(敵玉頭)に築いた物見櫓が大きく、最後は振り飛車が勝ちを拾いました。

「時代はバランス型」と訳知り顔をする人が多いようですが、そんなの関係ないです。自分のスタイルを貫くことこそ勝利への近道です。前名人も自分の棋風に忠実に指せば、タイトル戦に絡む復活も十分あると思います。
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一筋の光   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/09/18(月) 20:10

久保九段が「振り飛車年鑑」で「パッと光っていて、そこを目指して指しているだけ」と仰っていましたが、そのような将棋を観ましょう。

古いですが、2010年王位戦、広瀬vs羽生戦です。
このシリーズは4勝3敗で羽生九段がタイトルを奪還するのですが、本局は広瀬八段の快勝譜です。

先手広瀬が当時のお家芸四間穴熊に、後手羽生が居飛穴に、それぞれ組み合います。居飛穴は▽4四に何をもってくるか、ですが本譜は銀。今でもその方が多いですかね?その後、双方穴熊を完成させ、お互いの狙いは敵角頭でした。ただ、拠点の位置が違い、振り飛車側は▲3四に、居飛車側は▽7六で、玉頭に近い振り飛車が大分得をしました。しかもこの拠点が終盤活きます。
中盤、ヘボの目から見ても振り飛車側から技が掛かりそうな局面で、好手が出ます。▲5八飛と一路寄り中央を睨んだのがそれで、他の本でも絶賛されています。ここから形勢は振り飛車に大きく傾きました。駒の取り合いになり、馬による金取りに、▲3八銀とガッチリ受けたのが落ち着いた手で、居飛車が追いすがると▲8三角から馬を引き付け、万全の態勢。と、思いきや、これは受けの馬ではなかったんですね!馬銀両取りの金を打たれると、▲5五馬と立ち、直後81手目の▲2二馬の叩き切りが神寄せの第一歩。以下、幾ばくもなく振り飛車が押し切ったという将棋でした。

並べた感想ですけれど、もう凄い!鮮烈!経験値の高さで第一人者を上回ったということで、必殺仕事人ですね(笑)。その妙技が現在封印中なのが本当に惜しいです。穴熊を指してみたくなる一局だと思います。頑張らなくては!

一句:振り飛車に AI無くても 愛がある
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将棋における「進化」とは   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/09/17(日) 09:50

今、並べている棋譜は広瀬章人著「振り飛車穴熊の最終進化」から選んでいます。
広瀬流の変遷が興味深く、卓越した穴熊固有の終盤力を堪能しています。今、ご本人は「穴熊は充電期間」と仰っているので、再登場が待たれますが、当分は菅井君の将棋を観ながら実戦を重ねていく感じですかね。

さて、「進化」ですが、最近様々な分野で多用され過ぎて、やや耳障り。生物学的な本来の意味と使う人が盛り込みたいニュアンスがごっちゃになって、現在も生物(特に昆虫)に興味を持って接している私からすると、「誤用の増殖が本来の意味を凌駕するのか」不安を覚えますね。

確かに語感は格好良いですよね。でも「最終」は余計だったかもしれない。まさか、それに縛られて広瀬八段は次のステップ(穴熊の)が踏み出せないとしたら、残念なこと。タイトル戦で振り穴で大暴れして坊やを号泣させる日を待望するものです。
No.265 編集    削除

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