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振り穴王子二世   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/15(水) 10:30

叡王戦、菅井vs佐藤天戦を見ていきましょう。

「振り穴王子」は、かつて広瀬八段の代名詞。深浦九段を破って王位となった辺りまで、彼は文字通りのスペシャリストだったんです。「振り飛車穴熊の最終進化」などという本も出ていました。坊やばかり注目されていますが、八段の終盤力も相当で、これが緻密な速度計算が要求される穴熊の終盤戦に存分に生かされていたんですね。それで、広瀬王子に敬意を表して、二世の話に戻ります。

ヘボは能天気なので「何とかなるんじゃね?」のノリで振り飛車の可能性を信じております。そればかりか「将棋の本質は後手有利では?」とも思っております。根拠は大名人の実績です。しかしながら、実際に現場で生活懸けて戦っている人の認識では、「希望が無い訳ではないが、現状はやや厳しい」(by久保他)ということです。私は菅井君にもっと自由奔放に、あの永世七冠を翻弄した王位戦のように指し回して欲しいと願っているのですが、実戦的に勝ち易い穴熊を多用している現状は、そういった背景を裏付けているのでは、とも感じています。

さて、実戦は珍しく先手四間飛車になりました。先の順位戦も踏まえての選択ですかね。序盤で「相手の思い通りにはさせない」と早くも火花が散ります。▲5六銀に▽5五歩。▲4五銀は無理と見て▲6七銀と引き下がりました。居飛車は早い動きは無いとみて居飛穴を明示。しかし用心深く振り飛車の角道が▲6六銀と止まったことを確認してからの入城です。
互いの玉が穴熊に収まった時点での形勢は微妙ですが、玉がやや薄く、金銀が上ずっているので振り飛車不満?持久戦になってはダメということで、▲4五歩から中飛車に振り直して手を作って(例えば手筋?の▲5四歩の垂らしなど)いきます。この辺りは天才的で「振り穴を知り尽くしている」感がありますが、自分の土俵に引き込むことの大切さを痛感します。
一方、天彦九段も受けの強さは有名で、振り飛車の角交換から続く強打にも倒れず踏み止まります。しかし、途中▽7四角から振り飛車の馬を消しにいった手が(私には)当然に見えて悪かったようで、結果的に燻っていた敵飛の捌きを許してしまいました。
そうなると最終手段は端攻め。文字通り双方の玉頭になるので、一手の間違いで即転落。菅井君はその辺りのアヤを的確に処理し、勝勢に持ち込みました。色々な意味での見切りの正確さ、言葉を変えれば決断の良さが光った将棋でした。

番勝負で坊やを倒せるのは菅井君しかいません。なぜなら居飛車党は坊やの得意分野で勝負を挑んでいるから。棋界の流れを変えるべく頑張って欲しい。しかし、その一方でその前にパラマスを抜けないといけない順位戦も控えている訳ですが。大変ですけど、棋士冥利に尽きるのでは。
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向飛車藤井システム?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/14(火) 10:55

広瀬vs都成戦(竜王戦1組)より。

先日、中田宏樹九段(追悼段位)が亡くなられ、新聞やネットで訃報が伝えられました。早世は勿論ですが、残念だったのがネット記事のコメで「故人は酒飲みで、振り飛車の名手だった」と。もう目の前が真っ暗になりましたよ。こういうしょうもない(謂わば)身の程知らずが「藤井システム」を「藤井聡太先生が編み出した優秀な戦法」等と害悪を撒き散らさないことを祈るばかり。

済みません、本題に入ります。
都成ファーム長(NHK将棋の時間をご覧下さい)はいつの間にか1組なんですね。驚きました。しかも前期挑戦者に勝ってしまうという(ネタバレ)。本局は両者にとって重要な将棋であると同時に、都成君の意欲作として取り上げました。

後手都成の振り飛車、広瀬の居飛穴に進みました。振り飛車は藤井システム模様ながら、向飛車に振りました。和俊七段が三間飛車である程度戦えることを示しましたが、うなぎ屋の主人(テンテー)が気に入らないことや、和俊七段の(最近の)成績が今一なこともあり、穴熊対策としてはそれほど注目されている雰囲気が感じられません。では向飛車ではどうなるのか?急戦(阪田流や▽3二金型)でなければ向飛車は受け身の戦法。それと基本、攻撃が主眼のシステムを組み合わせたのが本譜でしたが、飛同士が向かい合っていることが(本譜に限ってかもしれませんが)振り飛車有利に働きました。

まず向飛車でありながら▽4五歩と位を取り、角の可動域を確保したこと。振り飛車は仕掛けの辺りで飛先を突き逆襲に転じましたが、居飛車の▲3四歩の取り込みに対し、▽4四角と好位置に残れました。また当然のことながら飛先は簡単に破れない(笑)。角で飛を狙われても「どうぞ香を取って下さい」とばかりに▽2三飛と軽く受け流せました。

仕方のない居飛車の玉頭側桂頭の攻撃も逆用でき、途中の▽5一歩の受けも絶品でした。これで居飛車の攻めが止まってしまいました。以降の穴熊崩しも的確で、穴熊の名手、広瀬八段を粘らせませんでした。お見事です。v(^_^)

でも都成君は前後して対局した順位戦で先崎九段に敗れているんですよね。こういう点がファンの気持ちをヤキモキさせ、一層の「都成愛」に向かわせるのでしょうね。(^_^)(>_<) 私も振った時は応援させて頂きます。
No.139 編集    削除

なぜ石田でなく杉本なのか   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/11(土) 09:24

聡太君の師匠は杉本昌隆八段です。杉本八段は(最近そうでもないですが)振り飛車党で、かつて四間飛車の研究家で、引退された小林健二九段(同門)の「軍師」としても知られていました。小林九段は元々居飛車党でタイトルこそ獲れませんでしたが、早指し将棋選手権(テレ東、島田アナ)で十七世名人を破って優勝したこともあります。その時の原動力が「スーパー四間飛車」だったのです。二人は板谷一門でした。板谷進九段は早世しましたが、A級を張り、父上は四郎九段。大山康晴と初代九段(現竜王位)を争った方です。

石田九段は四郎九段の弟子で、杉本八段は進九段の弟子。格からすれば石田九段が上。但し、九段は現在東京在住なのがネックになったのか。関西より東京の方が遠くなりますね。聡太君はお家が大好きのようですし。でも色々調べてみると、九段は人懐っこく、親切であるので、それを鬱陶しいと感じる向きもあるでしょう。また「対局相手が席を長時間外すと相手の席に座って局面を考える癖があった」ということで、誰かさんに似ていませんか?(あれだけ有名になった誰かさんは弟子が一人もいないのでは)
杉本八段は他人に深く関わろうとするタイプには見えないですからね。弟子がスランプに陥った時に助言できるか。もうそういうレベルは超えているかもしれない弟子ですが。(>_<)
No.138 編集    削除

不可解な一局   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/10(金) 22:04

研究将棋ってこんなものなんですかねえ?
「神も人の子」と言えばそれまでですけど、もっとこうなる前に変化が出来なかったのか?相居飛車の将棋は良く解らないですが、ヘボの目から見ると、封じ手前には形勢が大きく傾いていた感じで。具体的には▲6三歩と金頭に叩かれ、▽7一金&▽6一銀と我慢したあたりですが、これでは百万円を投入したというパソコンが泣きますよ。不利飛車党でも知っている有名な?局面。以降のお粗末な展開は、挑戦者に対しても失礼ではないですか?
まあ、今回は「お疲れ様、聡太君」ということにしておきましょう。しかし、次局を落とすことになると、ひょっとしたら...ということになるかも?!
No.137 編集    削除

レスレス♪   投稿者: tsuka000jp   投稿日: 2023/02/10(金) 13:06

みぞおちに入りましたか。展開はわからないけどそわそわしますねえ。挑戦者に頑張ってほしいですね。
No.136 編集    削除

王将戦第4局   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/10(金) 12:41

永世七冠のパンチが王将のみぞおちに入ったようです。
少し、挑戦者のことを甘く見ていたのかな。逆に挑戦者はこの将棋を落とすようなことがあれば即引退もの。二人ともファンという方々は気が気でないでしょうね。(>_<)
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根絶やし流の原点   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/08(水) 07:27

軍曹の「振り飛車」について観ていきます。

最近、軍曹は芸風の転換を模索しているように見えますが、それが衣装替え(居飛車→振り飛車)ではないのが残念。多くの方がご存じのように軍曹はデビューから数年は振り飛車党だったんです。私はこの時期(2010~2012くらい)は将棋と距離を置いていたので、後で勿体ないことをしたと思いました。(>_<)

軍曹は三間飛車を多用していました。それで今回は永瀬vs小山戦(2012年朝日杯)を取り上げます。小山とは小山怜央さんですよ(笑)。

永瀬先手で角道を開け▽3四歩に▲7五歩。今は殆どの居飛車党は▽8四歩なので、あまり見られなくなりました。石田流かと思いきや、▲7四歩に対する▽7二金を見て四間飛車に変化します。争点を中央にずらしていく意味で、振り飛車の王道ですね。
ここから軍曹の腕力がジリジリと発揮されていきます。▲7八金と上がらされているので囲いは片美濃。5~8筋までの戦いになりましたが、小山さんの方が銀1枚分多いので、私的には居飛車指し易い。更に角金交換の駒損になりますが、振り飛車は敵陣で作った竜を引き付けて、端から侵入した馬を押し返し、流れを引き戻しました。よく将棋における「寝技」という表現はこういう感じだと思います(?)。
力強い手順で居飛車を追い込みます。ラグビーのスクラム戦で押しまくるイメージでしょうか。玉の薄さが気になりましたが、▽4六に陣取る馬を▲4七銀打ちで弾き、自陣には憂いなし。この間、居飛車側に大きな失着は(私の目では)見られなかったですが、攻めていくと倍返しされる感じで、普通の人は戦意が削られていく。確かに「負けない将棋」ですね。
そうして、最終盤、居飛車が手が無くなったと見るや、端攻めを逆用し、▲1三角打ちからシンプルに決めました。

軍曹の凄さが堪能できましたが、小山さんの強さも印象に残りました。私は彼が六段にはなると思います。但し、立場を変えた小山怜央を他の棋士が却って「組みやすし」と見るかもしれない。それは分かりませんけどね。
軍曹の話に戻ると、私的には鈴木大介九段に「余計なことを言って」と詰りたい気持ちがあります。九段は永瀬君に「下手くそな振り飛車指しやがって」のような内容を話したそうで、九段を信奉する軍曹は素直に「分かりました。振り飛車止めます」となったそうな。残念です。受けで、いや振り飛車で天下を取れる人は人数的(確率的)に見ても少ないので、特異な才能の芽を摘んでしまった鈴木九段、あなたが今全然勝てない現状を振り飛車党は全員見ていますからね。口先男はもう沢山!(>_<)
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将棋を巡るサブカルチャー   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/06(月) 10:32

少しいつもと違うことを書いてみましょう。

私(大山命)は元々思い込みが激しい性格ですが、例えば「サブカルチャー」の意味を間違って覚えていたりということが最近増えています。まだ将棋も強くなりたいので、頭は常に柔軟にと思いますが、加齢との勝負ですね(苦笑)。

さて、お題は将棋漫画についてです。私は聡太が全冠制覇後の棋界およびその周辺を危惧しています。聡太ファン以外は将棋を純粋?に楽しめなくなるのでは、と。で今回ネタにする「月下の棋士」の「リアル氷室将介」に聡太君がなるのではないかという心配です。

月下の棋士は能條純一氏の手による将棋漫画で、今から丁度三十年前に連載が始まりました。「哭きの竜」で有名な漫画家という予備知識があって、それまでつのだじろう氏や将棋世界に連載されていた、井川ヒフミ氏の作品(と金横丁)に慣れきっていた身として、どのような内容になるのだろうと少し期待があって第1話からリアルタイムで読んでいきました。「河口俊彦監修」に信頼がありましたね。

主人公は氷室京介改め(笑)将介。まあ登場当時からガラの悪い少年で、帽子かぶって片膝ついて指していたりする。それどころか1週間服を着替えず、周囲から異臭を指摘される始末。将棋漫画の主役ですから将棋だけは聡太レベルで強くて負けないんですけど、これで作品の進行に不安を覚えました。

不幸にも不安は的中しました。数々の対戦相手が氷室以上に人間離れ(ギャグのレベル)していて「しょうもない」というか。あと作品の特徴の一つですが、登場人物の氏名が将棋(谷川→滝川や木村→村木)や野球の有名人(桑田真澄→幸田真澄や古葉竹識→古葉健とか)から拝借したものが殆どでいかにも薄っぺらい。何よりイラっときたのは「駒を運ぶ所作の描写が間違っている」ことでした。プロは駒を取る時、自分の駒を取る駒に近付けることはしませんね。それは初心者のやる所作です。つまり、能條氏はプロの対局を観ていないことになります。「将棋への愛が足りないな、河口八段が付いていながら」とガッカリしましたよ。

棋士の絵も下手でした。升田幸三をモデルにした棋士が出てきますが、これが五味康祐(作家)にそっくり。確かに升田は似顔絵を描くのが難しい人だと思います(比較的易しいのは大山康晴)。それを考慮しても升田の太鼓持ち(升田本人が乞うている訳では勿論ない)に似せてはダメでしょう。また一歩間違えれば十七世名人の名誉棄損になりそうな描写もあって、表現者としてどうなのかな、と思いました。

連載は8年続きましたが、盤上に血を吐いて笑っているような気持ちの悪い人(そう言えば人間模様をテーマにした漫画のはずなのに、人間が殆ど出てこなかったような)が多くて読むのを止めました。最終回は全然成長していない主人公が出てきて「やっぱり」と感じて終了。

結局、将棋文化の正しい普及には繋がらなかった気がします。氷室君の生意気で失礼、だらしない対局態度だけが伝わり、各道場が、特に低年齢層への対応に苦労したと聞いています。(>_<)

結論。能條氏は麻雀だけを描いていれば良かったのかな?

機会があれば次は「三月のライオン」を取り上げてみましょう。
No.133 編集    削除

玉頭戦の死闘   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/03(金) 16:30

森下vs谷合戦(順位戦)より。

森下九段は私より1つ下位の歳。「駒得は裏切らない」の名言で有名でしたが、名人挑戦時に精神的な甘さから好局を落とし、以降、トーナメント決勝等の肝腎な勝負を落とすことが続きました。人間的には大変真面目・誠実な方です。私が以前将棋世界のQ&Aへ投書した際に、わざわざ直筆のお葉書でご返事を下さいました。因みに内容は「阿部vs加藤一二三(銀河戦)において『待った』をなぜ認めたのか?」でした。直接の担当は矢内女流でしたが、九段は当時理事だったと思います。今もヒフミンは全然懲りていないですね。(>_<)
一方の谷合君。何度か彼の将棋は取り上げましたが、ネット民にも私と同じ疑問&要望をお持ちの方が少ないようです。曰く「AIの研究に熱心だけど、自分の将棋で勝っているのを見たことが無い」「勝又教授のようなスタンスではなく、プレイヤーとして活躍して欲しい」。谷合君、見ましたか?(笑)

将棋は対抗形、お互いの持ち味が出た壮絶な玉頭戦となりました。先手森下が四枚銀冠の堅陣を築いたのに対し、谷合君は金無双から上部に厚い右玉?のような形で、先手から見て一貫して盤の左側(振り飛車から見て右側)で百手以上続く捻じり合いとなりました。恐らく双方秒も読まれていたのでしょう。逆転に次ぐ逆転で150手を過ぎた辺りで漸く局面がほぐれ、居飛車勝勢。谷合玉は▽2一まで追われましたが、最後に頓死を喰らったのは居飛車でした。谷合君命拾い!
ネットのコメントで「悪手のオンパレードで観る気がしない」。それに対するツッコミ「(全部)観て、ご丁寧にコメントまでしてるじゃんw」。人間同士の将棋に悪手はつきものです(実感)。(>_<)
No.132 編集    削除

守護金の存在   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/02(木) 20:58

黒沢vs高野智戦(順位戦)より。

私が黒沢六段に興味を持ったのは将棋世界の「力戦振り飛車」解説コーナーでした。それから「振り飛車年鑑2022」にインタビュー記事が掲載されていますけど、その勝負観が「最初から逆転狙い」(笑)。どういう意味かというと「少し悪いくらいでついていって最後にまくる」ということです。これ、私が度々書いていることと殆ど同じではないですか。プロの振り飛車党と将棋観が同じ?ということで随分勇気付けられましたよ。(^_^)
高野六段は「受け師」の弟子で普通に強いのでしょうけれど、振り飛車対策はそれほど上手いとは思いません。

後手の居飛車が▽5四歩と突いたので、升田式向飛車に進みました。黒ちゃんは棋王戦挑戦者決定戦で軍曹と相穴熊を戦いましたが、その後一切穴熊を指していません。本譜も高美濃にすると思いきや▲4七に上がった金を3六→2五に繰り出し玉頭金!一旦居飛穴に囲った居飛車ですが、鬱陶しいと見て、パンツを脱いで(▽3三桂と跳んで)まで金を追いました。真の狙いは端の味付けで▲1五に陣取ります。
左辺では捌き合いがあり、大駒の総交換、居飛穴はいつの間にかミレニアムになっており、急所の▲4一銀が掛けられ勝利が見えてきました。居飛車も成り込んだ桂を▽4八に押し売りし(取ると▽3九角で大逆転)追いすがりますが、最後は狭い所に▲1一金、1三銀と捨てて着地が決まりました。▲1五金は守っては上段に玉が追い出された時の防波堤、攻めては端の拠点となる守護金として大活躍でした。

黒ちゃんは今奨励会の幹事で大変だと思いますが、これを糧として、もうひと伸びして頂きたい。応援しています。(^_^)
No.131 編集    削除

A級8回戦   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/02/02(木) 09:30

アンチとして聡太敗戦は「よし!」という感じでしたが、菅井君が天彦九段に負かされ、ガッカリです。それでもチャンスの芽は残っているので、AIが3連続でバグを起こすことを念じて、来月の一斉対局を待ちましょう。

永瀬vs聡太戦は、軍曹の開始から40手くらいにおける仕掛けの早さに驚きました。しかも手になっていましたからね。五冠があんなに一方的に負かされる将棋は初めて見た気がします。これが研究将棋の恐ろしさか。石田九段をはじめとする聡太応援団は場を取り繕うのに苦労すると思いますよ。(>_<) 石田九段は中京愛が強過ぎるのか、ヒフミンの亜種みたいになって品が無いですね。(>_<)(>_<)
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新境地か?!   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 21:15

また女流順位戦で申し訳ないですが、甲斐vs中村真戦を取り上げます。
甲斐さんは基本振り飛車党ですが、相振りはあまり好まないように感じます。研究熱心でテンテーか師匠(久保九段)が「(彼女の将棋を)注目している」と書いていて、そういうものかと思いました。確かにタイトルも獲っているし、安定感がありますよね。因みに元奨励会員でYouTuberのほっしー氏は「レーティングで(甲斐さんが)5位にランクされているのは意外だ」と仰っていましたが、さては聡太の将棋以外観ていないな(笑)。一方の真梨花さんですが、根っからの四間飛車党で、マリカ攻めと謳われる攻撃力に定評があります。この方も将棋会館の棋士控室に詰めるなど研究熱心で有名ですが、正直安定感は余りないですね(失礼)。棋風としては戸辺七段に少し似た所があるように思いますが(でも振り穴は指さないようです)。

先手は甲斐さんでしたが、やはり相振りは避け、居飛車を持ちました。真梨花さんは十八番の四間飛車です。但し、角交換型を選択したのは少し驚きました。しかも自分から。居飛車は銀冠を目指しますが、やや攻撃陣が立ち遅れているのが気になるところ。果たして、振り飛車は囲いは後回しにし、▽4五歩を突き、銀を中段に繰り出し、積極的な指し回しです。いつもの(というか、私の印象では)真梨花さんは、まず玉を高美濃まで囲ってからガンガン攻めていく感じだったのですが、そうではない。真梨花さんにとって甲斐さんは対戦成績が悪いので(10勝17敗だったかな?)、いつもより気合が入っていたのかもしれません。逆に甲斐さんは戸惑ったのかなあ?
振り飛車はいつでも攻められる形を作ってから平美濃に囲い、▽6四歩を突きました。ここで居飛車が焦ったのか、▲5五角からこの歩を取りに行ったのが少し無理だったような。再度の角交換から逆に▽5五角と打たれ、飛のコビンを攻められ馬を作られてしまいました。振り飛車は馬の厚みを活かして攻め急ぎません。居飛車が玉頭の位を活かしたコビン攻めを逆用、鋭い切り込みであっという間に銀冠は崩壊しました。▲7四桂を打たれても動ぜず、見切りも正確で、丁寧に寄せ切りました。失礼ですが、こういう指し方ができるんですね。
正直、対西やん戦(相振りで67手だったかな)で秒殺喰らった時は厳しいと思いましたが、本局を観た限りではまだまだやれそうですね。伊藤&加藤桃戦に勝つようなことがあれば、挑戦争いもできるかもしれません。注目です。
No.129 編集    削除

相穴熊はここが面白い!?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 09:26

将棋に限らず、伏線を張り、これを適切な時機に回収することは大事だと最近感じますね。
AIって、その場その場の最善手を分析しているんでしょう。流れなんてどうでも良い。そこが人間の指す将棋と決定的に違う点ですよね。

さて、相穴熊。実は私自身あまり指したことが無くて、経験を積みたいと思っているんです。何しろ実戦で初めて振り穴を指したのが漸く5年前!理由は不明(笑)。多分「穴熊を指していると強くなれないよ」という良くある助言?のお陰だと思っているのですが。
一昨日、同じ相手に1局目立石流を使って負け、2,3局に穴熊を投入しました。2局目が結構上手くいって銀冠を粉砕。それで相手の方は3局目、銀冠から穴熊に潜りました。ここも上手く指せ、勝利。再三の▲3三歩が効きましたね(笑)。

さて、女流順位戦です。加藤桃vs西山戦が組まれていたので、解説?したかったのですが、西やんが意外な拙戦で負け。急遽何かないかと探したら、中井vs加藤圭戦が面白かったので紹介します。

中井さんは稚内の出身です。でもご家族も含めてもう(稚内には)住んでおられないのでは。ご本人には直接会ったことはないですが、何故かお母上には2度お目に掛ったことがあります。今は清水理事より強いですよね(笑)。一方の圭さんはデビューの遅い振り飛車党ですが、力を付けてきている印象です。実は山ネコさんより強いのでは。

将棋は相穴熊になりました。よく言われているように相居飛車戦とは別の意味で繊細な将棋です。見所は仕掛け前後の駆け引きと、中終盤の剥がし合い・埋め合い(笑)です。
相○○戦は同型なので、対抗形においては振り飛車から見て左側の戦いをいかに有利に進めるかが重要です。
序盤、居飛車が飛先を早く決め、ゴキ中を牽制(「圭さんの中飛車はうるさい」という情報でもあったのでしょうか)、ノーマル三間となりました。中井さんの居飛穴志向に対応し、振り飛車も▽9一玉、8二銀、7一金と締まり一安心。互いの囲いの構築中に居飛車は▲8六角と覗きます。これは割合最近見かけるようになった(私が、です)手で、遠く▽5三を睨んでいる訳ですが、振り飛車陣がどのような陣形になっているかにもよりますが、四間で始まったら▽4一飛が必要になりますし、本譜のように三間では角の直射は予め避けている代わりに真ん中が弱めということはありますね。
更に進んで振り飛車は▽3五歩。先も取り上げたように、3筋の位を取れば居飛車右桂の捌きを押さえられる。三間飛車が最も突きやすいことは自明の理。中井さんは▲2六飛と浮きますが、申告漏れ発覚!▲1六歩(居飛車の税金)を突いていなかったので▽1五角(幽霊角)が成立しました。圭さんが良かったのは、しつこく繰り返したこと。やや働きの弱い▲1六飛の形で角交換できたことはポイントでした。恐ろしいことに、ここから居飛車はリードを奪うことができませんでした。振り飛車の指し回しが丁寧で、付け入るスキを与えず、気が付けば居飛車の一人終盤戦!と金の活用から大駒切、綺麗な収束でした。

二つ目に挙げた「金気の剥がし合い・埋め合い」は見られませんでしたが、とかく相穴熊戦は一方的な戦いになりやすいので、もっともっと実戦経験を積み上げていきたいものです。(^_^)
No.128 編集    削除

敗着不明?   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/31(火) 06:23

挑戦者の敗着不明、AIのご意見を伺った結果...

アホですね。作戦や構想が悪いんですよ。流れが。まあ升田流に表現すると「あんたの▲7六歩(初手)が敗着」ですね。AIのこと、全然理解していないですが、やっていることはナンセンスで、誰も得るものが無いと思います。
No.127 編集    削除

道場を求めて   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/30(月) 20:34

同情ではないんです。東京に戻ってから、私より少し強い人を求めて道場巡りをしています。帰省時に戦ったアマ五段の方は入院してしまいました。この方は私の地元で支部長を務めておられたようですが、支部は何年か前に潰れ、今では看板だけが寂しく残っています。早く退院されてまた私に将棋を教えて下さい。

次に足を運んだ道場は、やはり席主の方が強く、毎週通おうと心に決めた矢先、またもや体調不良で入院してしまいました。それで仕方なく千葉に出た訳です(ひとつ前のコメントからつながる)。「駅から数分」と書いてあったのに全然見つからず、観光案内書で道を尋ねました。引っ越していたんです。そこでは常連さんの一人が強く、今度こそ安住の地になるか?!

それにしても、ネットで紹介されていた道場が次々と潰れていて悲しくなりました。(T_T) 昨年まで北海道で指していた時も通っていた道場の一つが消滅しました。どうせ皆が聡太に飽きたら今の将棋ブームなんて萎んでしまいますよ。連盟は頭から汗を流して次の一手を考えないと。(>_<)

残念ながら、まだ千駄ヶ谷や御徒町に足を運ぶ力はないなあ(泣)。(T_T)
No.126 編集    削除

王将戦第3局   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/29(日) 20:09

封じ手の前後に▽4七角と打ち込むチャンスがありました。挑戦者やその場に居合わせたプロ棋士は誰一人として指摘しませんでした。ダメな理由を相居飛車戦に詳しい方、ご教示頂けないでしょうか。
今日、千葉県に将棋を指しに出たのですが、対局した人が毎日新聞を持っていて、二人して「▽4七角、打ってみたい」と意見が一致したのですよ。王将は完璧主義者だから厳密には無理でも読み切ろうとして時間を浪費するかもしれません。挑戦者はかつて、そういう良い意味でのハッタリをカマせたものですが。タイトル奪還は冷静に見てかなり厳しくなりましたね。
No.125 編集    削除

捕まらない角   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/27(金) 20:19

佐藤和vs菅井戦(竜王戦2組)より。
和俊七段は最近あまり振ってくれません。私と同じようにそのことを不満に思う振り飛車党(アマ)が存在するようで「和俊よ、雁木やって勝っても埋もれてしまうぞ。飛車を振れ!」などというコメントを見ました。一方の菅井君は最近暴発が目立ちます。「乱暴な」穴熊を止めれば良いと思いますがね。大体時間をキッチリ使っている時の彼は好局が多い。十分に相手を揺さぶってから技を掛ければ実力通りの結果になるはずです(柔道で言う所の「つくり」)。思い切りの良さと乱暴は紙一重ですよ。

さて、将棋の中身を。
どちらも振り飛車党で、相振りも意図的に避けるタイプではないので、戦型が注目されました。和俊先手で▲7六歩▽3四歩▲2六歩と進み、四手目、菅井君は▽3三角と上がりました。「売られた喧嘩は買う」とばかりに▲同角成。▽同桂から後手中飛車となりました。局面が落ち着き玉の囲い合いに進むかと思いきや、▲4六歩に▽5五角が放たれました。これは▲9九の香にも当たっているので、▲7七銀。振り飛車は歩を掠め取りました。何だか素人っぽく感じられる角でしたが、これが攻防に大活躍です。頭の上を飛び回るハエのごとく、追っても追っても捕まらない。そして自陣の傷になりそうな個所をしっかりケアしているのです。個人的に、菅井君は竜の動きがいつも印象的ですが、これも「らしい」角使いと言えましょう。居飛車陣は何とか銀立矢倉までもっていったものの、敵角にかき回され上ずってしまいました。駒のぶつかり合いの後、急所に据えられた▽8四桂(▲7六銀当たり)が激痛でした。以下、幾ばくも無く素早い寄せで振り飛車の勝利となりました。和俊七段はあまり見ない形に翻弄された様子で、持ち時間に大きな差が付いたようです。一方、菅井君は交換した角を好所に打ち据える得意の形に加え、振り飛車らしい左金の動きが地味に光りましたね。▽3二→4二→5二→6二と大名人の指し回しを彷彿させました。

改めて思いますが、アマの振り飛車党は相振りを避けるべきではないですね。気合負けにつながるように思うのですが。(>_<)
No.124 編集    削除

番長の限界   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/27(金) 10:46

今回は番長(香川女流四段)の側から将棋を観ていきましょう。
番長、香川さんはですねえ。私が教員だった時に職員室に教職員互助会?からパンフレットが配られていて、チラ見してゴミ箱と思ってめくったら、香川さんのコスプレ写真がインタビューと一緒に載っていたんですね。内容はプロ将棋に詳しい人であれば誰でも知ってそうな話でしたけど、まあ正直に書くと「番長、終わったな」と感じました。その後、YouTuberに転身?され、ダメを押されました(苦笑)。

改めて将棋観てみましょう。里見vs香川(名人戦リーグ)より。
先手の香奈ちゃんが例によって中飛車を明示。対する番長は三間飛車。一般に相振り戦では「中飛車には三間」が定跡?で、これは私自身の経験からも納得できます。しかし、相手は元奨励会三段&女流四冠ですからね。
果たして序盤の40手までで三間飛車(番長側)が相当指しにくい形になってしまいました。理由は明白。番長が香奈ちゃんにビビっているんですよ。部分部分で(相手の)嫌がることを探して実行するのですが、盤面全体を見たらそれはかえって自分の首を絞めている訳です。例えば金無双に囲ったこと。▽7五歩を突いたこと。ヘボなら銀は▽6二からのルートで活用し、将来の▽8一飛を目標に駒組を目指す。それまでは自陣が傷になるような歩突きはしませんね。それで無駄なことをやっていたために弱い角頭を狙われ、窮屈な形を強いられました。
香奈ちゃんは玉を左に移動し、▲2八に振り戻し、3筋に攻撃を集中します。香川陣は駒の渋滞が酷く「捌けない形」。2筋を破られ竜を作られ、▽5七銀を打ち込むような手が間に合わないようでは最早これまで!?それでも形だけでも切り合いになり、香奈ちゃんの玉も薄いので、勝負になっても良さそうですが、ヘボの目線でも一手二手遅れているんですよ。それも中盤までの構想の拙さが罪になっています。因みにネット上では「珍しく悪手の無い名局」みたいな意見がありましたが、「笑わせるなよ。構想の悪さは悪手の積み重ねでは」。
最終盤は香奈ちゃんの流れるような寄せを見るばかり。「あと飛があれば詰みね。あら、ここに落ちている」って感じですか。1回思い出王手を受けておいて、実際に即詰みに仕留めた将棋でした。

香奈ちゃんは苦労は何もしていないんですね。番長が勝手に転ぶのを指一本で後押ししているような感じですかね。以前、棋友と話をした時に「女流棋士は自分の指したい手を優先するよね」の見方で一致しました。それはヘボにも該当する耳の痛い話ではあるのですが、プロ・アマに限らず強い人は辛抱が上手ですよね。

さて、最後に番長の話に戻しますが、「ご自分の将棋の研究を優先してくれ!」ですね。周りは、例えば佐藤会長は「普及に尽力しているから、止めろとは言えないかな」くらいのスタンスと思われますから、ならば「誰か苦言を」ということであれば、それは中村修の役割かな。かつては永瀬軍曹のような風貌だったのに、今は何なのだろう。髪を切ったからと言って将棋に勝てるとは限らないよ。
将棋が弱い人の言うことやること、信用されないのがプロだと思います。また、勝てなければサイドビジネスをやるしか食べていけない厳しい世界です。
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女流も進歩   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/26(木) 10:12

このような表題は女流棋士に失礼なのは承知していますが、これが一番解りやすいと思ったので。
ヘボなりに少し将棋が解ったつもりになると、「俄か」の存在にイラっとすることが増えます(苦笑)。たとえば言葉の使い方で。「大山棋士」「大山先生」「ヒフミン」等々。「○○棋士」は敬称のつもりなのでしょうが、違和感だけですね。「○○先生」私は自身が先生呼ばわりされる仕事だったので気になるのかもしれませんが(先生と呼ばれるほどの馬鹿は無し)、○○七段くらいが無難だと思います。「ヒフミン」マスコミの命名ですが、それに乗って将棋好きをアピール?私は過去の待った事件や犬猫への餌やり事件を見聞きしており、更に「ヒフミン・アイ」は、仮に私が対局中に歯抜け面でされたら嫌なので面白おかしく俄かやマスコミが取り上げる意図が理解できません。将棋界の○喜朗の放置は厳禁ですよ、会長!
あ、脱線してしまいました。

女流の力が付いてきた話でしたね。
振り飛車党が多いこともあるのですが、近年棋譜並べの教材を女流棋士の将棋から仕入れることが増えました。香奈ちゃん、西やんは勿論ですが、石本さん(振り飛車年鑑でも記事を書いています)や上田さん、番長(香川さん)もかな?誰の将棋を評価するかは好みの問題もあるので置いておいて、とにかく鑑賞に値する棋譜が女流同士の戦いにも見られるということです。

漸く本題。女流順位戦(白玲戦)B級(男性棋戦におけるB1に相当)香川vs北村戦より。
番長こと香川女流四段。奨励会の在籍経験もあり、器用でそこそこ強いのですが、自分の将棋をもっと大事にして欲しい。これに尽きます(詳細はwikipediaなどで確認できます)。一方、北村女流二段は苗字は違いますが(笑)、旦那さんは出口若武六段です。桂香使いの妙技が期待されます(笑)。

二人ともヘボの見立てでは振り飛車党です。香川さんは派手な将棋?を好み、北村さんは、ヘボが勉強不足なので良く分かりません(失礼)。相振りも予想されましたが(女流は相振りが多い)、本局は先手の香川さんが譲り?ました。
居飛車は穴熊に潜りました。振り飛車は現在プロが多用する三間飛車。
因みに振り飛車党の中でも「飛の頭に角が乗っていて、どうして戦えるのか解らない」と仰る方もおいでですが、これが何とかなるんです(笑)。ヘボが将棋の勉強を5年前に再開した折、「四間飛車は流行っていて対策もそれなりに確立されている。ゴキゲン中飛車は玉が薄くなりがちで、自分の棋風に合わない」と考え、消去法で三間飛車を軸に戦うことになりました。自分と同じくらいの棋力の相手には結構勝てますよ(笑)。また道草してしまった。(>_<)

潜る前後のことですが、振り飛車は居飛穴の駒組を牽制して▽4三銀→5四銀の動きを見せます。狙うはミサイル銀で角頭ですが、対して居飛車は▲6六歩or銀の二択。歩であれば穏やか、銀であれば突っ張り?(角道を通しておきたい)といった所。
更に、振り飛車は▽3五歩と突きます。ヘボの目には、これこそが(女流)プロの振り飛車党が三間飛車をもてはやす理由に思えます。ヘボのような古株アマは石田流を連想するのですが、令和の三間は最善形に拘らない。かえって最下段まで飛を引くことも珍しくありません(と思っていたら石田流本組になってしまいました)。(>_<)
「石田流は終わった」などという番組がYouTubeで上がっていましたけど、本当に終わったかどうかはさておき、石田流が居飛車党にとって相当イヤな戦法であることに間違いありません。手順を尽くさないと一方的に潰されてしまうからです。逆に振り飛車党から見た一番のメリットは「居飛車の右桂の捌きを押さえる」ことにあると思います。
実戦は振り飛車の角の動きに注目です。駒組の際に手順に▽5一に引いた角を▽8四に覗きます。最近の傾向では玉側の桂を早めに跳んでしまうことが多いため、何か新鮮に見えましたが、「ほら、ご覧」と大名人のお顔が目に浮かびます(笑)。遠く▽4八や3九への成を見せながら、更に▽7三に角を引く。居飛車は▽2八角成を受けることができません。左桂も捌き、仕掛けでは振り飛車が一本取った形となりました。
居飛車としては隠居している飛の捌きが最大の懸案になっており、右銀の動きが思い通りでないのも痛い。対して振り飛車は囲いが金銀4枚のダイヤモンド美濃が心強い。とは言え、居飛車は駒損を取り返し、形勢は接近。そこで満を持しての端攻めですね!▽9五歩の突き捨てから攻めて攻めて攻めまくる。途中小ミスもあったような気がしないでもないですが、殆ど一手詰みまで香川さんが指し続けたことが「どうしてこうなった?」という無念の思いを表している。つまり北村さんの指し回しがほぼ完璧だったということです。いや眼福、良い将棋を拝見しました。

北村さんは実は軍師が居る。それは旦那様です(笑)。出口六段は叡王戦を全局相居飛車で戦いましたが、かつて振り飛車党でした。奥様は結構助言(勿論研究の場で)を求めているのではないかなあ。そんな大きなお世話もヘボの頭に浮かびましたとさ。(>o<)
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機敏な仕掛け   投稿者: 大山命   投稿日: 2023/01/25(水) 10:35

行方vs佐々木慎戦(王座戦)より。
二人とも同じB2で好調で、昇級のチャンスも十分にあります。枠が(前々期からか?)3人に増えましたからね。
予想通り、行方銀冠vs佐々木三間の対抗形となりました。行方九段の居飛穴は見たことがありません。じっくり囲って玉頭戦に負けず、振り飛車との捌き合いにも屈しない。ただ、本譜は不用意な駒組みの進め方で、振り飛車の仕掛けを誘発しました。
▲8六歩から銀冠はおかしな方針ではありませんが、▲8七銀と上がった瞬間に、直前の▽4五歩との連携で▽3六歩の仕掛けが成立しました。更に▽1三から▽2五への跳躍で桂を捌き、飛を成り込む大戦果。渋い▽4三桂から、▲8五歩を咎めた反対の▽9三桂跳び。馬切りから鮮やかに敵玉を仕留めました。佐々木七段の桂使いの妙技が光りました。是非とも昇級争いを制してB1で活躍してもらいたい。(^_^)
No.121 編集    削除

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