中飛車研究所(将棋)掲示板
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今回も杉本六段の将棋を観ていきましょう。杉本和vs高橋道雄戦です。 高橋九段はタイトルを5期獲得、名人にも挑戦していた現役最年長棋士でもあります(65歳)。居飛車党で、対振り飛車戦も得意で、全盛期左美濃や居飛穴で名を馳せました。時期が時期だったこともあり、3局記憶があります(全て対大山康晴戦)。どれも印象深い将棋なので、いずれこの場で紹介できれば良いですね。 さて、本局。先手杉本が三間穴熊を志向、後手高橋は銀冠から穴熊に潜り、持久戦は得意。序盤は五分に進行しました。三間飛車の権利で▲7五歩を突いたところで、居飛車が鋭い仕掛けを敢行。50手目▽5五歩と突き捨て角を捌きにかかりました。振り飛車は受け身になります。進んで70手目▽5七歩の垂らしがまた嫌らしい。と金は許せないので▲4八金寄は仕方ありません。居飛車がポイントを稼ぎました。 相穴熊戦は(同型なので)少しの差、特に金銀の配置の差が終盤にも影響します。振り飛車は踏ん張って垂れ歩を角で取り除くことに成功しました。更に居飛車は桂香で振り飛車陣の金気を剥がしていきますが、▲4九の底歩から防御柵を構築、107手目の▽2八銀不成を▲同馬と取って守りが万全となりました。あとは攻めるだけです。前後しますが▲5五桂が一発入ったのも大きかった。敵の角道(馬道)を遮断しながら攻撃の起点ともなりました。収束は113手目に▲3一金とベッタリの張り付きから竜を切り分かり易い寄せとなりました。振り穴の快勝です。 振り穴の勝利は勿論ヘボとしては嬉しいですが、高橋九段の仕掛けも堪能しました。流石一時代を築いた「55年組」です。
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