中飛車研究所(将棋)掲示板
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引き続き神吉七段の振り穴を観ていきましょう。今日は1997年(ヘボがやっと就職した年)の順位戦、相手は達(たち)七段(現)です。 故達正光七段は私と同い年でした。出身地も近く、私が住んでいる場所の近くにお住まいだったこともあると30年前の将棋世界に書かれていました。居飛車党で高柳門下です。高柳敏夫九段は名伯楽の誉れ高いです。十六世名人や田中寅彦九段、現役では島九段が師事しているのでその通りかも知れません。ただ師匠が良ければ弟子も優秀という法則は将棋界においては余り当てになりません。特に「師匠が弟子と将棋を指す」ことは破門を意味するほどです。最近はそうでもないのかもしれませんし、花村一門のような例外もありますが、何より私は高柳九段の哲学が好きでない。「振り飛車は将棋に非ず」で「弟子に居飛車以外認めなかった」と清水女流七段は語っていました。はっきり言って、師匠と弟子の棋力に相関はありません。(>_<) さて、今回の将棋も順位戦です。「序盤は(他の対局に比べ)堅実に」と考えるのが普通と、ヘボなどは思うのですが、本局は序盤早々波瀾が起きます。ヘボも対居飛穴戦でウッカリして8(2)筋の飛先交換を許してしまったことがありますが、本譜も同じ現象が生じました。これが神吉七段のウッカリだったのか、それともはめられたフリをしてはめようという深謀遠慮だったのか。とにかく先手の居飛車が飛2枚、後手の振り穴が角2枚持ち合う局面が出現しました。 よく「序盤は飛よりも角」という格言がありますが、アマ同士だと初段前後では飛を2枚持った方が勝ち易くありませんか?ヘボも弱いのでどちらかというと飛2枚持った方が安心?です。しかし本譜はプロ同士です。振り穴の放った▽5四角が局面を支配し、振り飛車がポイントを取りました。ここから2枚角を駆使した攻めがなかなかうるさく、敵角の動きに居飛車は翻弄されることになりました。仕方なく角筋を避けて端美濃(串カツ囲いの一歩手前)にしますが、金銀が上ずってしまいました。対して振り穴は▽9二香と上がった形で美濃に締まり、大駒が打ち込まれる隙も無く満足な分かれです。 終盤は振り穴の見切りと素早い攻めが圧巻でした。十二分に働いた2枚角を敵に差し出す代わりに左桂の(天使?の)跳躍。駒の裏を取る捌きで、確実な小駒の攻め。あっという間に居飛車を投了に追い込みました。神吉七段の臨機応変さ(変な表現ですが)に唸った将棋でした(まさか研究の範囲ではないでしょうね)。m(_ _)m
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