中飛車研究所(将棋)掲示板
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前回の続きになります。結果的に最多はテンテーの棋書です。ヘボには「プロの振り飛車党員お人好し説」というのがあるのですが(苦笑)、僭越ながらテンテーはその筆頭に挙げられると思います。この方は将棋指しと言うよりもむしろ将棋研究者の才能が秀でており、しかもサービス精神旺盛。お喋りも軽妙洒脱、嫌みの無い自虐ネタ?が好評です。実際にお目に掛かった時も解説時の雰囲気そのままでした。それで、肝腎の棋書ですが、これが読者の棋力に合わせた筆捌きで、当に変幻自在の藤井システムです。しかしながら強くなるのが目的で将棋を指されるヘボのような方は、買った当時内容が理解できなくても、テンテーの著作は持っていて損はありません。手の解説は勿論ですが、行間の将棋に対する思いについての筆致にみるべきものがありまして、例えば「この中でどの形が一番有力ですか?」「どれが勝ち易いんですか?」「おすすめはどの形ですか?」―「それは、あなたの一番好きな形です」(四間飛車の急所4の前書き)、基本図からの四手の手待ちは「早く形を決めろ」「嫌だ」の連続。(中略)それこそ4一金型を指しこなす生命線で、その力を養うために定跡の勉強を続けてきたのである。(同184頁)、あるいは「つまり、相振り飛車こそが将棋のあるべき本来の姿なのかもしれません」(相振り飛車を指しこなす本4、まえがき)といった表現、言葉遣いに惚れました。「この人は将棋を誰よりも愛しているかもしれない」と。もう一度、書いておきましょう。「ヘボにとって、藤井は猛」。
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