中飛車研究所(将棋)掲示板
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ヘボの勉強法は実戦と棋譜並べですが、最近の棋譜、写しただけで溜まってしまったので、少し前の将棋ですが紹介しましょう。 昨年指された順位戦で、上村vs井出戦です。 上村亘五段は中村修門下で、慶応大学の理工学部を卒業されているそうです。最近は大卒の棋士も増え、さほど珍しいことではなくなりましたが、すごいですね。何をご自分の中で最上位にされているのか判りませんが、これから大変だと思います。 一方の田丸昇門下の井出隼平五段も昨年プロ雀士になりました。難しい両立をどのようにバランスをとっておられるのか興味がありますね(将棋に集中して欲しい思いは「同志」として強いですが)。 さて、イデ隊員とはウルトラマンに登場する二瓶正也氏演じる登場人物の一人ですが、本来脇役の位置づけにも拘わらず、主役のハヤタ隊員(ウルトラマンに変身する)も食ってしまう存在感で知られています。ヘボが勝手に命名しているだけなので、井出五段にはご迷惑かもしれません。イデ隊員は四間飛車党で美濃囲いが嫌いという、個性豊かな振り飛車党員の中でもキャラが立った棋士だと思います。詳細は「振り飛車年鑑2022」をお読み下さい。 漸く将棋です。上村五段は居飛車党なので、対抗形に。後手の井出五段は珍しく?ダイレクト向飛車を採用しました。居飛車は少しのんびりした序盤の駒組みでした。角交換しているのにも拘わらず居飛穴を目指しましたが、受け将棋の井出五段が隙を逃さず突っ込んでいきます。高美濃に玉を収めた後、銀を▽4四に繰り出し、▽3五歩を狙うのは常套手段です。単なる歩交換で収まることもありますが、できれば▽3二飛から捌きたいもの。本譜もそのような進行でしたが、二度目の交換で▲3七歩と打たれ、「何をやっているんだ?」と思った瞬間、振り飛車は横歩を取りました。 「横歩三年の患い」という殆ど忘れ去られている格言?がありますが、よくよく読みを入れないと咎められて敗勢に転落するのがオチです。しかし本譜は違いました。▽3九角!これで攻めが繋がりました。居飛車はバラバラな陣形を衝かれ、大混乱に陥りました。飛金交換の駒得ですが、飛を打ち込む隙が無い。受けのイメージが強く、ご本人にもその自覚がある相手からの強襲はその分ダメージも増幅したことでしょう。 最終盤は、居飛車も大駒を叩き切って一手違いに持ち込みましたが(ヘボなら頓死していることでしょう)、それまで。手番が回ってきたところで、敵玉の腹に飛を捨て即詰みとなりました。ヘボも「一局のチャンスは1回」と思っているので、良い勉強になりました。今まで、イデ隊員には踏み込むイメージが無かったのですが、流石プロですね。井出五段の「舐めた真似してるんじゃねえぞ!」という叫びが聞こえた一局でした。
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