中飛車研究所(将棋)掲示板
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順位戦も残り僅かで、昇級者の声も聞かれ始めています。 ヘボがプロの将棋を観戦していて思うのは、順位戦が最も面白いということです(異論はあると思いますが)。そして持ち時間が長い故に起こる大逆転。序盤の定跡整備があらゆる戦型で進む現代将棋、始めのうちに犯した失敗が取り返せないシビアな戦いになっているようですが、だからこそこういう将棋を紹介したいと思い、佐藤慎vs黒沢戦(順位戦C2)です。 佐藤慎一五段は元は振り飛車党だったようですが(確認できておらず済みません)今は居飛車党。今期の順位戦は好調で、ここまで2敗。対して黒沢六段は、期待が大きい故に、現在の戦績は「悲しい」の一言!奨励会の幹事を引き受けているようですが、色々な才があることが却って災いしているような気が、外野はしますね。 (>_<) 先手佐藤の居飛車、後手黒沢の振り飛車は確定ですが、黒ちゃんの選択がドキドキ(笑)。果たして角道オープンで、敵が飛先を伸ばしているにも拘わらず、▽9二香ですよ。レグスペ(白色レグホンスペシャルの略だそうです)は私も大会で女子高生相手に1回だけ指したことがありますが、押さえ込まれ「やらなきゃ良かった」と後悔しました(最終盤相手の失着で勝ちは拾いましたが)。とにかく結論は「ヘボには荷が重い」です。しかし黒ちゃんは「力戦振り飛車の雄」です。どんな将棋を魅せてくれるのでしょうか? 居飛車は慎重に飛先を交換し、端に狙いを定めました。しかし、欲張って横歩を取ったことが、そのこと自体の成否は別に、黒沢ワールドに引き込まれる伏線になったかも。そもそも四間飛車、いや振り飛車が「居飛車の動きを利用して投げる」(by藤井猛)戦法ですから、居飛車が駒を大きく使ってくれることは大歓迎です(ヘボはそのまま潰されることが多いですが)。果たして、評価値は居飛車に振れるも黒沢ペースで将棋は進みます。 力強い金の進出で敵飛を追い返し、臨機応変に(泥縄とも言う)金銀を立ち上げていきます。横歩取りのような将棋を見ると判りますが、歩越し飛車って今ひとつ迫力がないんですよね。とは言え、居飛車の攻めは的確で、穴熊は八方破れのあばら家になり、王さん自ら逃げ出すしかなくなりました。 しかしこれで終わらないのが黒沢振り飛車。▽6一桂・7四角と辛抱し、チャンスを待ちます。そして84手目に受け一方に見えた角が▽9六に飛び出した辺りから怪しくなってきます。狙いの▽8六桂に▲8八玉と寄ったのが痛恨。評価値はともかく、流れは完全に振り飛車側に渡りました。96手目に蟄居していた飛が世に出て、上手く着地も決まりました。「面白い将棋を指したい」と神様が言っていましたが、人によって「面白さの基準」は違うと思います。ヘボが面白いと感じ、他人に鑑賞を勧める将棋は取り敢えずこんな感じです。 (^_^)
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