中飛車研究所(将棋)掲示板
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久しぶりに西やんの勝局を取り上げましょう。棋王戦予選、西山vs富岡戦です。 多くの振り飛車党員はプロ・アマ問わず、女流棋士の座に甘んじている西山・里見(福間)の両巨頭に一目置いていると思います。対抗形は勿論ですが、特に相振りの戦い方において、二人は多くの「技術革新」を生み出しました。これはAIでは無理です。振り飛車を認めていないから。それだけに、余計価値ある将棋を指してきたと結論できませんか? 富岡八段は全盛期は剛直な将棋のイメージがありましたが、今はどうでしょうか。テンテーの天敵として知られ(猛九段ご本人が自著においてそのように書いていた)、基本居飛車党ですが、相手が振り飛車党の際は相振りも積極的に採用するように思います。本譜もそのような背景?から相振りになりました。 後手富岡が比較的オーソドックスと言える金無双&向かい飛車、先手西山は中住まい&向かい飛車になりました。但し、角交換を経ているのがミソ?です。 ヘボは金無双は未だに大嫌いな囲いです。それでも「先攻」を意識するようになってから、仕方なく採用することが増え、それなりに星も稼げるようになりました。本譜、富岡八段は2筋歩交換の後、浮き飛車に構えたのですが、これがどうだったか?実際の進行でも角を自陣に打ち込まれ、不利に陥っていました。加えて攻めを厚くするには引き飛車の方が良いというのが理屈です。「大駒は近付けて受けよ」の逆ですから。ただ、良い点もあって、桂の活用が容易であることもありますので、角を持ち合っている状況では仕方のない選択であるかもしれません。 対する西やんですが、やはりもう一人の女王と切磋琢磨しているだけあって、上手かったですね。中住まいの布陣で角の打ち込みを許さない。相手の攻め筋から遠ざかる意味もあって、一本取った形でした。そこから如何に有利を優勢、そして勝利に持って行けるか、ですが。 富岡攻め・西山の受けの流れの最中61手目に▲3六同金となった局面ですが、ここで▽同飛とタダの金を取れないのが辛いところ(取ると▲3七香で飛が死ぬ)。形勢ははっきり西やん優勢です。富岡八段は勝負手を繰り出しますが、西やんは悉く冷静に対処、敵の弾が尽きたところで、おもむろに金無双をバラバラにして勝負を決めました。 改めて、相振りは経験値がモノを言う戦型であることを強く感じましたね。ヘボも臨機応変な対応ができるように頑張りたい。清止作さんはお好みでないようですが、皆さんも相振りを指してみませんか? (^_^)
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