中飛車研究所(将棋)掲示板
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王位戦リーグ入り予選決勝、八代vs佐藤天戦を観ていきます。 ついこの間、強いと言われる八代七段がC2に留め置かれている原因について考察しましたが、本局鬼門?の対抗形、何を採用するか。天彦九段はどこに振るのか(三間飛車はないと思いましたが)?その辺りが最初の興味でした。 先手八代はミレニアムでした。過去は大体持久戦、そして居飛穴が多かったように感じています。後手天彦は四間飛車からダイヤモンド美濃に組みました。 序盤から振り飛車の積極的な指し回しが目立ちました。囲う段階で、28手目▽6五歩と突いて敵角を追い、更に▽4五歩で角道を開け、開戦準備が整いました。うなぎ屋の店主(藤井猛九段)から四間飛車の極意について「相手の力を利用して投げる」とのご教示がありました。一方で「相手が来なければ自分はいける」準備は常に必要です。40手目▲2四歩の突き捨てを受けずに▽5六歩の取り込み(角当たり)に気合いを感じさせます。 居飛車は▲7五角と飛に当てますが、振り飛車は悠然と▽2四歩と手を戻し、飛角交換となりました。右桂を捌き居飛車好調に見えましたが、▽5五角の返し技があり、▽6六歩も入っていることから後の▽7六桂に期待できる(実際に実現)この取引は振り飛車に分がありました。 打たされたとも思える自陣角を▽4四から▽2六に活用した順が秀逸。60手目の▽6七歩のフックが厳しい。▽5五桂から敵陣を弱体させながらの▽6七桂成が決まり、振り飛車が一本取りました。しかし、▽5八銀からの追撃がやや重かったか?居飛車の反撃に2枚の銀を剥がされ、逆転です。累卵の危うきの形勢を再逆転に導いたのは94手目▽7四の自陣飛車でした。攻撃の軸である竜をそっぽに追いやり、拠点の▲7五桂を取り払うことに成功。流れを引き戻しました。 110手目の相手の力を吸収する?▽7二銀打ちも妙味でした。120手目に待望の▽7六桂が入り、筋に入った感じです。さらに二度の▽6八歩の垂らしから▽6九歩成で寄せきったという将棋でした。 局後のインタビューも観たのですが、こういう人に天下を取ってもらいたいと改めて思いましたね。ヘボが心置きなく応援するには完全振り飛車党への転向が必要です(苦笑)。「いつまでも振り続けて頂きたい」が結論でした。 (^_^)
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