中飛車研究所(将棋)掲示板
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歴史を振り返って居飛車も振り飛車も指す棋士を思い浮かべると、第一は「自在流」内藤国雄(國雄?)でしょうか。内藤九段は基本居飛車党であったと思いますが、飛を振っても人並み(勿論、プロ棋士の中で、ということです)以上の才能を示しました。ただ、矢倉だけは指さなかったというのが面白い。 内藤九段が頭角を現わした昭和中期は、実は今よりも将棋が自由であったように思います。純粋居飛車党と評される人も裏芸として結構大事な対局で飛を振る。AI大明神がおいでにならない時代なので、自分の感覚を頼りに将棋を指していました。その中に振り飛車という選択肢もあった訳です。例えば、居飛車党の原田泰夫九段がB1に降級後、振り飛車を多用してA級に復帰したこともありました。 前振りが長くなりましたが、何でも指せる人は珍しくなりましたね。その珍しい人の中の一人に先崎九段が挙げられると思います。NHK杯を制した対局は中飛車を採用していました。病気療養で現在はリハビリしながらの運転ですが、今回順位戦で三間飛車を用いました(対阿部健治郎七段戦)。 先手阿部が左美濃から銀冠金無双?に組み、後手先崎が石田流に構えます。開戦は3筋から、揉み合いの中、居飛車が竜を、振り飛車が馬を作る展開になりました。捌き合いになると玉が戦場から近い方が不利になります。本譜、居飛車は右金が▲4七に上がっていたので尚更です。振り飛車は速度計算に勝ち、結果もものにしました。総手数72手の捻じり合い無き終盤戦でした。 先崎九段は将棋も器用です。どんな戦型でも勘所を押さえているというか。本譜も特に派手な手を指さないままに、気が付いたら良くなっている感じです。メンタルの問題はあったでしょうが、一方で(将棋以外に)筆が立ったりする器用貧乏が、ファンは残念なのでは?
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